Project/Area Number |
23K26759
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Project/Area Number (Other) |
23H02066 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36020:Energy-related chemistry
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤井 健太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (20432883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松上 優 熊本高等専門学校, リベラルアーツ系理数グループ, 准教授 (50455177)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
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Keywords | 電解液 / イオン溶媒和 / 溶液構造解析 / Liイオン電池 / 超濃厚電解液 / 電極界面 / 自由エネルギー解析 |
Outline of Research at the Start |
高濃度のLi塩を溶解した超濃厚電解液を研究対象として、バルク・電極界面におけるLiイオンの構造および自由エネルギー描像を解明し、これを電池電極反応の理解と制御に応用する。(1)バルク電解液中で形成するLiイオンの溶媒和構造および構造秩序性を分子レベルで特定し、その自由エネルギーを決定する。また、(2)電極反応(電荷移動反応)の活性化エネルギーを実験的に決定するとともに、電極海面近傍のイオン構造および反応場特性を計算化学的に調べる。これらの成果と実際の電池特性(電気化学的特性)を照らし合わせ、構造および自由エネルギーに基づいて電池反応を理解し、制御するための基盤指針を定める。
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Outline of Annual Research Achievements |
高濃度のLi塩を溶解した超濃厚電解液が新しい蓄電池電解質として定着しつつある。しかしながら、反応化学種の自由エネルギー的安定性、すなわち、超濃厚電解液中のLiイオンが(希薄電解液に比べて)安定なのか、不安定なのか?という基本事項すら分かっていないのが現状である。本研究では、バルク・電極界面におけるLiイオンの自由エネルギー描像を解明し、これを電池電極反応の理解と制御に応用することを目指す。本年度は、(1)超濃厚電解液のバルク構造およびLiイオン溶媒和、および(2)超濃厚電解液の電極/電解液界面について検討を行い、下記の成果が得られた。 (1)超濃厚電解液のバルク構造およびLiイオン溶媒和: 実験(放射光X線散乱、振動分光測定など)および計算化学的手法(分子動力学(MD)シミュレーション、量子化学計算)により、超濃厚電解液の精密構造解析を実施した。Liイオンの溶存構造(配位数、結合距離、錯体形成)に及ぼす塩濃度依存性、溶媒種依存性を系統的に調べ、超濃厚系に特有な構造特性を明確にした。また、構造特性とイオンダイナミクスの相関関係についても議論を行い、電池特性を左右するイオン輸送特性を明らかにした。 (2)超濃厚電解液の電極/電解液界面: 電極/電解液界面に対してMDシミュレーションを実施し、界面近傍の化学種の局所的な構造・ダイナミクスを解析するための技術を確立した。希薄電解液系および典型的な超濃厚電解液系にこの手法を適用し、界面構造に及ぼす電場効果や塩濃度効果を分子レベルで可視化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超濃厚電解液のバルク構造については、Liイオン周りの個別配位数や構造秩序性に与える溶媒種や溶媒構造、塩濃度の効果につ いておおよその傾向を把握することができた。また、電極界面のイオン構造やその電場依存性を調べるために界面MDシミュレーションを導入し、一般的な希薄電解液系およびアセトニトリルを溶媒とする超濃厚電解液系に適用することができた。電極界面近傍におけるイオン種の脱溶媒和挙動やこれに及ぼす電場印加の効果等、電極反応を理解する上で重要な知見が得られつつあり、次年度 以降、更なる展開が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
電極/電解液界面のイオン構造を制御し、電池特性改善につなげるためには、界面構造の電場依存性に加えて、塩濃度依存性や溶媒種依存性を系統的に調べる必要がある。また、界面における電荷移動反応メカニズムを解明し、その挙動を自由エネルギーレベルで特徴づける取り組みが必要となる。今後(R6年度)は、電極反応の活性化エネルギー決定を中心として、構造論とエネルギー論の両輪で反応メカニズムを明らかにしていくとともに、実際の電池特性(充放電特性、電気化学的安定性など)との相関関係を系統的に調べていく予定である。
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