Project/Area Number |
23K26791
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Project/Area Number (Other) |
23H02098 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37030:Chemical biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 和靖 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (00315053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 瑠泉 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40750881)
中川 夏美 北海道大学, 理学研究院, 助教 (30881528)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
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Keywords | r-Peptide / リボソームRNA / 機能性ペプチド / Latent ORF / セントラルドグマ / 細菌 |
Outline of Research at the Start |
翻訳装置であるリボソームを構成する主要構成分子であるリボソームRNAは、タンパク質をコードしないノンコーディングRNAとされている。本研究では、ノンコーディングRNAとされている細菌のrRNAが潜在的コード情報を内在し、生存危機などの特異な状況において翻訳され機能するポリペプチド(r-Peptide)の同定およびそれらの危機防御における機能とその機構解明を目指す。 本研究により、この新規機構に基づいた薬剤開発へとつながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
翻訳装置であるリボソームを構成する主要構成分子であるリボソームRNA(rRNA)は、タンパク質をコードしないノンコーディングRNAとされている。本研究では、「細菌のrRNAが潜在的コード情報を内在し、生存危機などの特異な状況においてポリペプチドr-Peptideとして翻訳され機能する」という申請者の仮説の立証を目指す。このため、各種生存危機条件下におけるnLC-MS/MSによるトップダウン的手法による大腸菌r-Peptideの同定と機能解析、バイオインフォマティクスを用いたボトムアップ的手法によるr-Peptideの合成と機能解析を行う。その中で、医学的に特に優れた機能をもつ可能性のあるr-Peptideの機能発現におけるメカニズム解析を実施する。 初年度は、大腸菌rRNA latent ORFにコードされたr-Peptideデータベースの構築を行った。続いて、大腸菌を生存危機ストレスに曝露した際に、rRNAから翻訳されるr-Peptideの分離・同定のための詳細な条件検討を実施した。その結果、カナマイシン添加時に特定のr-Peptideが複数の酸化状態のフラグメントとして存在することが示された。また、異なる配列を有するr-Peptideについても同定された。並行してインフォマティクス解析より得られた大腸菌rRNA latent ORFにコードされたr-Peptideを合成した。今後大腸菌の増殖、形態への効果、r-Peptideの局在解析、各種抗生物質の活性に対する効果を解析する。 本研究により、『原核生物がrRNAを鋳型としてポリペプチドが翻訳する』というセントラルドグマ基本概念の拡張へと繋がる。さらに、この新規メカニズムに基づいた薬剤開発へと展開されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、大腸菌rRNA latent ORFにコードされたr-Peptideデータベースの構築を行った。続いて、大腸菌を生存危機ストレスに曝露した際に、rRNAから翻訳されるr-Peptideの分離・同定のための詳細な条件検討を実施した。その結果、カナマイシン添加時に特定のr-Peptideが複数の酸化状態のフラグメントとして存在することが示された。これらの酸化型r-Peptideについても抗-抗菌活性を有することが示された。また、異なる配列を有するr-Peptideについても同定された。一方、培地への添加ではこのr-Peptideはそれのみで細胞増殖抑制活性を持ち、内部発現とは異なる活性を示した。 並行してインフォマティクス解析より得られた大腸菌5S rRNA latent ORFにコードされたr-PeptideをFmoc固相法により化学合成した。今後大腸菌の増殖、形態への効果、r-Peptideの局在解析、各種抗生物質の活性に対する効果を解析する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、nLC-MS/MS解析により各種r-Peptideの同定を進める。さらにたの作用メカニズムを有する抗菌剤を用いた際に発現誘導されるr-Peptideを同定し、これらの大腸菌の増殖、形態への効果、r-Peptideの局在解析、各種抗生物質の活性に対する効果を解析する。同定したr-PeptideのrRNA latent ORF配列をもつベクターを作製し、in vitro translation法を用いてlatent ORFのSD配列および開始コドンの機能を解析する。 大腸菌5S rRNA latent ORFにコードされた配列を有する合成r-Peptideについて、r-Peptide自身の大腸菌の増殖、形態への効果、r-Peptideの局在解析、各種抗生物質の活性に対する効果を解析する。 さらに、薬剤耐性に関与すると推定され、その活性が非常に高いものを優れた機能を持つr-Peptideとして選択する。機能発現メカニズム解明のために、r-Peptideの相互作用標的分子の同定、r-Peptideによる遺伝子およびタンパク質の変動解析を実施する。
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