Project/Area Number |
23K26859
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Project/Area Number (Other) |
23H02166 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
越阪部 奈緒美 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 靖之 芝浦工業大学, SIT総合研究所, 研究員 (00969115)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,390,000 (Direct Cost: ¥10,300,000、Indirect Cost: ¥3,090,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
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Keywords | 苦味 / 渋味 / ポリフェノール / 恒常性 / 脳 / 脳機能 / 神経伝達物質 / 自律神経 / 覚醒 |
Outline of Research at the Start |
ポリフェノールは、恒常性維持機能を有し心血管系疾患リスクの低減が確認された機能成分であるが、消化管からはほとんど吸収されないため、その恒常性維持メカニズムを医薬品的アプローチで解明することはできない。そこで本研究では、ポリフェノールの官能特性である苦味・渋味と消化管に存在するその受容体との相互作用が、恒常性維持機能の発現を促すのではないかと着想し、渋味ポリフェノールとTransient Receptor Potentialの相互作用メカニズムの解明及び苦味ポリフェノールと苦味受容体(Taste Receptor 2)の相互作用によるGLP-1を介した糖代謝制御を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
18種類のポリフェノールを対象として、液胞条件(pH5.0)と消化管条件(pH7.0)におけるRedox特性をスーパーオキシドO2-と特異的に反応するmethyl-6-p-methoxyphenylethynyl-imidazopyrazinone (MPEC)を用いて評価を行った。その結果、pH5.0ではすべてのポリフェノールが抗酸化活性を示したが、pH7.0では①低濃度でprooxidant活性・高濃度でantioxidant活性、②いずれの条件でもantioxidant活性を示す化合物群に分類された。①に分類される化合物としてはflavanolやrosmarinic acidなど渋味を呈する成分が、quercetinなどほとんど味がない化合物が②に分類された。in vivo実験においては①に分類される化合物に交感神経活動亢進能を確認しており、ポリフェノールの有益な生理活性はそのRedox活性に強く依存することが示唆された。特にフラバノールは強い作用を示すが、強力な抗酸化剤であるN-acetylcysteine(NAC)を四量体と同時に経口投与した場合、その効果は減弱した。これらのことから、フラバノールの活性酸素が作用発現に寄与することが分かった。加えてTRPV1チャネル阻害剤であるcapsazepinまたはTRPA1阻害剤であるHC030031とA2を併用投与した場合、作用がキャンセルされた。以上のことから、消化管環境下ではフラバノールはprooxidant作用を示し、活性酸素を産生し、TRPチャネルの消化管知覚神経細胞質側のROS認識ドメインに結合し、感覚神経に活動電位が生ずる。その刺激は介在神経を通じて、青斑核-ノルアドレナリン神経網の活性化により、注意・覚醒・短期記憶が向上し、交感神経活動を亢進することで、末梢循環や代謝に有益な作用を示すことが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は上述した成果をまとめ、4報の原著ならびに”渋味の活性酸素仮説”について総論として5報が英文誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
渋味の活性酸素仮説(消化管環境下(pH7.0)ではフラバノールはprooxidant作用を示し、活性酸素を産生し、TRPチャネルの消化管知覚神経細胞質側のROS認識ドメイン(Cys残基)に結合し、構造変化を引き起こしポアを広げ、Ca2+の流入が起こり、感覚神経に活動電位が生ずる。その刺激は介在神経を通じて、延髄孤束核・青斑核に伝わり、青斑核-ノルアドレナリン神経網の活性化により、注意・覚醒・短期記憶が向上し、交感神経活動を亢進することで、末梢循環や代謝に有益な作用を示す)を証明するため、現在KOマウスあるいは電気化学的に安定なフラバノール誘導体を用いて確認実験を進めている。またポリフェノールの苦味についても、苦味受容体T2Rとの相互作用をIn silicoモデリングシミュレーション法を用いて解析を進めており、来年度はSKN-/-マウスを用いて消化管ホルモンを介した耐糖能の恒常や食欲抑制作用について検証を行う予定である。
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