Project/Area Number |
23K26934
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Project/Area Number (Other) |
23H02241 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39060:Conservation of biological resources-related
Basic Section 39070:Landscape science-related
Sections That Are Subject to Joint Review: Basic Section39060:Conservation of biological resources-related , Basic Section39070:Landscape science-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
境 優 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島地域協働研究拠点, 主任研究員 (10636343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 逸郎 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50572799)
福島 慶太郎 福島大学, 食農学類, 准教授 (60549426)
岩崎 健太 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70723047)
根岸 淳二郎 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (90423029)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | 河川生態系 / 種間相互作用 / 河川地形 / 地下水 / 湧水 / 底生無脊椎動物 / 魚類 / 群集 / 食物網 / 捕食―被食関係 / 栄養補償 |
Outline of Research at the Start |
地球上に遍く存在する湧水支川は、水質・水温・流量の点で非湧水河川とは異なった独特な生息環境を形成しており、特異な無脊椎動物群集と魚類の一時的な避難場所や産卵場所をもたらしている。そのため、湧水支川では、恒常的・一時的にそれを利用する動物が交錯することで湧水・非湧水河川の相互作用を生みだしている。本研究では、湧水・非湧水河川の相互作用に着目し、湧水支川への魚類の移入が無脊椎動物群集に与える正と負の影響と、湧水・非湧水河川間の移動が魚類の個体群の存続性と種多様性に与える影響を解明する。以上より、湧水・非湧水河川の相互作用が河川ネットワークにおける動物群集動態と生物多様性維持機構に果たす役割を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
湧水支川・非湧水河川の組み合わせのなかで、(1)「避難場所」として魚類が湧水支川に移入したとき、捕食等により無脊椎動物群集の単純化やバイオマスの減少が起こるかどうか、(2)「産卵場所」として魚類が湧水支川に移入したとき、卵や死体が無脊椎動物等に消費されるかどうか、(3)湧水支川への連結性が高いとき、魚類の個体群の存続性や種多様性が高いかどうかを検証するための調査を始動させた。 (1)では、魚類の避難行動が卓越すると考えられる夏・冬期を含めて底生無脊椎動物群集の構造・バイオマスの季節変化を定量的に追跡するための調査を開始した。(2)では、秋の産卵期を含めて上記野外調査と並行して炭素・窒素安定同位体比を測定するための試料採集を進めた。(3)では、関連するデータの収集と解析に着手した。これらの調査で収集された試料およびデータの処理を進めることによりそれぞれの仮説を検証するためのデータセットを得ることができる。湧水・非湧水河川で対照的に異なる物理・化学環境を把握するために、流量・温度・水質等についても観測・分析を進めている。以上の野外調査では、湧水・非湧水環境の相互作用に関わる一般性の高い知見を得るために、複数の調査地を対象として上述の調査項目について相補的に調査・観測を進めている。研究開始年度であるため、試料・データの収集が主要な研究目的ではあったものの、本研究に関連した論文発表や講演発表も本年度内に実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に合わせて野外調査を進めることができ、着実に試料およびデータが蓄積している。また、本研究の開始をきっかけに河川生態系における湧水環境の多様性ついて議論が展開し、既存知見の整理が進みつつある。広域データに関する収集・解析も予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
季節的な野外調査を継続するとともに試料の処理・分析を進めることで仮説検証に必要なデータセットを構築する。また、既存知見の整理によって総説の作成も進める予定である。引き続き、学際的視点を重視しつつ非生物・生物的プロセスの統合をめざし、河川生態系に普遍的にみられる湧水・非湧水環境における生物間相互作用の解明を進める。
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