Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
ブナ属のブナとイヌブナは分布域が異なり、これは環境適応性の差異を反映していると考えられる。本研究では、イヌブナを対象としてゲノムレベルの遺伝解析を行い、種内の進化を明らかにして、すでに研究が進められているブナの結果と比較する。また、両種のゲノムを比較して種特性としての環境適応性の差異をもたらした自然選択の解明を試みる。以上から、種としてのブナとイヌブナの成り立ちを集団の歴史と環境適応性から理解することを目指す。本研究は、樹木の進化を明らかにするだけでなく、地球温暖化に対する樹木と森林生態系の脆弱性とレジリエンスを評価し、それらの保全策を検討するための重要な知見を提供すると期待される。