Project/Area Number |
23K26948
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Project/Area Number (Other) |
23H02255 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 教授 (00231150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 令子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50755890)
山川 博美 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00582751)
山岸 極 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (60792306)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 植生管理 / 樹冠発達 / 累積効果 / 競合状態 / エリートツリー / 波及効果 |
Outline of Research at the Start |
下刈り省略は喫緊の課題であるが、現在の判断基準は生態学的根拠が薄く、また植生タイプによる被圧強度の違いやエリートツリー等の育種成果品に対応できない。本研究はスギ植栽木に対する被圧の即時効果と累積効果の入れ替わり時期とその条件を解明することで、下刈り省略・終了のタイミングを樹冠発達過程の生態学的根拠に基づいて理論的に予測する。これを様々な競合植生タイプやエリートツリー等の育種成果品に対してパラメタライズし、より理論的で堅牢かつ現実的な下刈り省略・終了基準を科学的に提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)①即時効果(光合成抑制)と②累積効果(葉量抑制)の評価のためのレファレンスとして、既往の通常下刈り植栽木の枝量の垂直分布を計測し、これまで計測してきた枝下高・最大樹冠幅と枝量の関係を定量化した。 (2)競合植生高と樹冠形モデルから①即時効果と②累積効果を分離評価する成長モデルのプロトタイプを構築し、①から②に切り替わる条件を既存試験地のデータおよび新たに計測するデータを用いて予備的に分析したところ、無下刈りでは植栽3年目で②累積効果が卓越している可能性が示された。さらに、異なる下刈りスケジュールの試験地データを分析したところ、植生後4年目まで期首形状比が樹高成長を支配していること、および直径成長は期首形状比の効果が被圧によって変化することを見出した。 (3)既往試験地のモニタリングを継続するとともに、競合植生データを分析して競合植生のタイプ分類を行い、下刈りスケジュールに沿った変化傾向を予備的に分析し、ススキ型植生下で下刈り省略によって木本類の優占度が上昇し落葉広葉樹型植生になること、および下刈りの継続によってススキ型植生に変化することを確認した。 (4)エリートツリーおよび特定母樹に指定されている複数の在来系統の計27系統について樹幹形および枝分布の計測を行い分析した結果、相対樹冠幅および樹冠の細り度合いによって7種類の樹冠タイプに分類することができ、次年度以降の解析の準備が整った。さらに、これらのデータを用いた成長解析を行い、植栽後4年目には枝の生産効率NARよりも枝量そのものが幹の成長を支配することを明らかにまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り、樹冠形モデルおよび成長モデルのプロトタイプを構築するとともに、下刈りスケジュールに沿った植生変化の傾向分析を終え、エリートツリーや特定母樹指定の在来系統の計27系統の枝分布調査を終えて類型化も完了している。さらに、当初計画に加えて新たな解析を加えることで樹高・直径成長の期首形状比依存性とこれに対する被圧効果を検出できた。また、枝量を用いた成長解析によって累積効果の抽出もできており、樹冠量密度が枝の生産性に影響する可能性も見出している。以上のように、一部は当初計画よりも進んだ解析結果が得られたことから、当初計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)前年度までに得られた枝の垂直分布データの分析を進め、枝下高・最大樹冠幅から枝量の垂直分布を推定する樹冠形モデルの妥当性を検証するとともに、樹冠形状や枝密度の異なる複数系統への適用性を検討する。 (2) ①即時効果と②累積(波及)効果を分離評価する成長モデルの改善のために、総枝量を用いた成長解析を行い、競合植生高と樹冠形モデルからの被圧効果を推定する「標準」モデルとの精度比較を行う。また、C1~C4の競合状態指数が実際にどの程度の相対高までの被陰効果を指標しているかを分析する。 (3)既往試験地のモニタリングを継続するとともに、競合植生データを分析して競合植生のタイプ分類を行い、下刈りスケジュールに沿った変化傾向を立地環境別に分析する。 (4)樹冠形と枝分布の違いが幹成長に与える影響を評価するために、エリートツリーおよび特定母樹の代表的な3系統程度について刈り取り調査を行い、樹冠形・枝分布と実際の枝重および幹成長との関係を解析し、メインの成長モデルの改善を検討する。
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