Project/Area Number |
23K26956
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Project/Area Number (Other) |
23H02263 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
上野 真義 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40414479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 毅 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究専門員 (20353865)
西口 満 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353796)
鶴田 燃海 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90809740)
森口 喜成 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60644804)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 雄性不稔 / ゲノム編集 / 稔性回復 / 環境応答 / 遺伝子発現 / スギ / 花粉稔性 / 雄性不稔スギ |
Outline of Research at the Start |
正常な花粉ができない雄性不稔のスギは、無花粉スギとして花粉症対策に活用されています。メンデルの遺伝法則に従うたった一つの遺伝子の異常によって、正常か不稔かというスギの花粉の稔性が質的に変化することが明らかになっています。その一方で、雄性不稔であっても、環境条件により稔性が回復し正常な花粉を生産する原因遺伝子がスギに存在する可能性があります。本研究では(1)環境感応性の雄性不稔の原因となる遺伝子を新たに特定して、その機能をゲノム編集により証明し、(2)稔性が回復する環境条件と生理生態の変化を遺伝子の発現解析により解明します。
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Outline of Annual Research Achievements |
S1-2という交配家系(MS2遺伝子の連鎖解析用に作成された家系でMS2遺伝子に関して戻し交配となっている家系)から122個体を使って、雄性不稔(MS2)を引き起こす遺伝子の解析を行った。その結果、第5連鎖群の1.7cMの地点にMS2があることが明らかになった。この区間は、スギの全ゲノム配列で見ると約9.05 Mbに相当した。 さらに、この区間に存在する遺伝子についてRNA-Seqという方法を使って、雄花組織で発現する遺伝子を調べたところ、33個の遺伝子の発現が見つかった。また、ゲノム参照配列から予測される遺伝子として、Permissive Gene Setから155個、Standard Gene Setから91個の候補がこの区間に予測された。 これらの候補遺伝子のアミノ酸配列を、雄性不稔と正常の個体で比較したところ、2つの遺伝子で遺伝子の機能に影響する可能性のあるアミノ酸置換が見つかった。そのうち1つの遺伝子は、モデル植物であるシロイヌナズナの研究において花粉の稔性に関係するとされるもので、スギの雄性不稔(MS2)では酵素の活性部位に有害なアミノ酸置換が起こっていると予測された。 この遺伝子(MS2)の機能を確認するために、スギのMS2候補遺伝子を編集するためのベクターを作製した。スギのMS2のDNA配列からCRISPR/Cas9法で切断する部位を探し、他の遺伝子とあまり類似していない4か所の標的配列を選び、それらを含む4種類のCRISPR/Cas9ベクターを作成した。 また別の交配家系(S8HK5)から雄性不稔の原因遺伝子MS4を同定し、花粉壁の生成に不可欠な酵素TKPR1の変異が花粉生産に影響することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、スギの雄性不稔(MS2)に関連する遺伝子の同定、機能検証、稔性回復の生理生態学的解析を目指し。次の三つの課題から構成される:1)雄性不稔遺伝子(MS2)の同定、2)MS2のゲノム編集による機能証明、3)MS2の生理生態の解析。当年度は課題1の雄性不稔(MS2)の原因遺伝子の同定が達成されたため、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
・ゲノム編集によりCjMS2の機能を確認するためにアグロバクテリウム法を用いて各ベクターをスギ不定胚形成細胞に導入する。 ・CjMS2の生理生態を調べるためにS1-1家系の個体から挿し木苗を作成しポットに植栽して育成する。
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