小型のコシナガ代理親魚にクロマグロの卵と精子を生産させる。
Project/Area Number |
23K26983
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Project/Area Number (Other) |
23H02290 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
矢澤 良輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70625863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 哲朗 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10833684)
吉川 廣幸 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (40733936)
吉崎 悟朗 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (70281003)
川村 亘 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 特任助教 (70973858)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 代理親魚技法 / クロマグロ養殖 / コシナガ / 生殖細胞移植 / クロマグロ / 種苗生産 / 育種 |
Outline of Research at the Start |
クロマグロの高度な養殖技術の確立を目指し、クロマグロ配偶子(特に卵)の代理親魚技法による生産を目指す。具体的には、クロマグロの生殖細胞を宿主に移植することで、小型陸上水槽内で飼育した代理親魚からクロマグロ種苗を生産する。本研究では小型かつ短期間で成熟するマグロ属魚種コシナガを宿主としたクロマグロ代理親魚技法の確立を目指す。そのために、第1に、定置網漁で漁獲したコシナガより採卵および人工授精を行い得られる人工種苗を用いて、陸上水槽内でのコシナガ完全養殖技術を確立する。また、コシナガ仔魚へのクロマグロ生殖細胞を移植し、ドナー由来クロマグロ卵を生産する技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
クロマグロと同じくマグロ属に属するコシナガは、クロマグロ代理親魚技術の宿主として効率的にクロマグロの配偶子を生産することが期待される。しかし、同種は種苗生産の報告がないうえ、天然海域における正確な産卵時期•産卵場も特定されていない。そこで、山口県下関市蓋井島における定置網漁で毎年6〜8月頃に漁獲される成熟した雌個体から得られる排卵卵を人工授精に用いて、その種苗生産について試みている。これまでに、定置網漁で漁獲されたコシナガの平均GSIの月別変化は、7月に雄で4.7、雌で3.5と最大であった。また、7月中旬にサンプリングされた集団において、卵巣内に吸水卵を持つ雌が確認された。さらに、7月19日に漁獲された個体28匹(雄13匹、雌15匹、平均体長56.2 cm、平均体重2.5kg、平均GSI 3.6)のうち、10匹の雌において排卵を確認した。そのうち、2匹(GSI:4.5および4.2)から得た排卵卵と、雄個体(GSI:3.3)から得た精子を用いて人工授精を実施した。人工授精後、千葉県館山市に所在する東京海洋大学館山ステーションに受精卵を輸送し種苗生産を試みた。その際の総卵数、受精率、孵化率は、それぞれ14,000粒、91%、91%および9,000粒、100%、100%であり、合計約2万匹の孵化仔魚を得た。その後、12日齢時点で1,000匹の仔魚を100L水槽に移し飼育を続け、人工飼料を摂餌する28日齢個体を29匹(平均体長1.3 cm)生産した。以上のように本研究において、漁獲された成熟雌個体から得た卵を用いた人工授精に成功し、これを用いたコシナガ種苗の生産が可能であることを示した。しかし、いまだ初期生残率が低いため、今後はより多くの受精卵の生産および種苗生産技術の改善を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山口県下関市蓋井島の定置網漁で漁獲されるコシナガから安定的に効率良く排卵卵を獲得するために、水温や海流、時期などの海況条件とコシナガの排卵状況のデータを蓄積した。これにより、排卵個体の水揚げと相関する海況条件を見出し、予見的に排卵個体の水揚げが期待される期間や海況を見極めることを試みた。また、人工授精および輸送時の水温、単位海水量あたりの収容卵数を発生率を指標に至適化についても試みた。その結果、山口県下関市蓋井島における定置網漁により天然漁獲されるコシナガにおいては7月の中旬に排卵個体を得られる可能性が高いことが明らかとなった。この結果から、次年度以降のコシナガ受精卵の生産を安定的かつ計画的に実施可能となる。しかし、いまだその初期生残率が低いため、今後はより多くの受精卵の生産および種苗生産技術の改善を目指し、計画を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度中に、得られた知見に基づき、効率よく集中的に排卵卵をもつ雌個体の獲得を目指す。これにより、より多量かつ高品質の受精卵を得られることが期待される。また、種苗生産においても、2023年度の飼育により顕在化した課題(仔魚期の沈降死等)を克服するための技術改善に取り組む。これにより生産されたコシナガ種苗を、東京海洋大学館山ステーションにおいて成熟まで飼育し、陸上水槽内での成熟特性について解析する。さらに生産したコシナガ仔魚を実際にクロマグロ生殖細胞移植用の宿主として用いる。生産した宿主魚は、同様に成熟まで飼育し、ドナー由来のクロマグロ生殖細胞の宿主内での挙動について、分子生物学的手法、組織学的手法を組み合わせて、解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)