Project/Area Number |
23K26994
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Project/Area Number (Other) |
23H02301 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
増田 貴子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (60893831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00301581)
山口 珠葉 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (30845293)
笹木 晃平 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (90977802)
佐藤 拓哉 京都大学, 化学研究所, 特定研究員 (70991636)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 窒素固定 / 細胞毎観察 / シングルセル解析 / NanoSIMS |
Outline of Research at the Start |
海洋の窒素固定性シアノバクテリアは系外からの窒素供給者としての役割のみが注目されてきたが、近年、植物プランクトンと栄養塩をめぐる競争者、高次栄養者の餌料として直接窒素を供給する役割が指摘されている。ではこれらの過程はどの程度窒素収支に寄与しているのか?本研究では室内培養実験と船上培養実験から単細胞性窒素固定藍藻Crocosphaera watsoniiを介した窒素の行方をシングルセルレベルで可視化、定量することで単細胞性窒素固定生物の役割を再評価する。その成果はモデルに適応され、実験的根拠に基づいた全球的な生物生産変動の将来予測の基盤となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、系外からの窒素供給者としての役割のみが注目されてきた海洋の窒素固定性シアノバクテリアが溶存態窒素を直接取り込むことにより植物プランクトンと競争者となること、さらに高次栄養者の餌料として直接的な窒素の運搬者としての役割を果たしているという仮説を定量的に評価することを目的としている。 今年度は、令和5年7-8月に実施された学術研究船「白鳳丸」KH-23-3次研究航海において、西部北太平洋の東経145度北緯25度および30度と、東経144度北緯32度の3定点において観測を行った。深度10mより試水を採取して、安定同位体で標識した15N2を現場群集に添加して培養しバルク、およびシングルセル解析用の窒素固定活性解析試料を得た。バルク測定ではいずれの測点でも窒素固定活性が観察された。さらに窒素固定生物Trichodesmiumがブルームしていた測点S1で15N2を添加培養したTrichodesmium培養液を濾集して、Trichodesmiumの窒素固定由来のDINが高次栄養生物に転送されるか調べるための試料を採取した。現場栄養塩、微生物群集の遺伝子解析用試料を採取して実験に供した。 また、窒素固定を遺伝子レベルで可視化する手法の確立に取り組み、2種の単細胞性シアノバクテリア培養株を用いてCARD-FISH法によってnifH遺伝子の可視化に取り組み、ポジティブなシグナルを検出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
7~8月に学術研究船「白鳳丸」KH-23-3次研究航海に乗船し、西部北太平洋の亜熱帯から亜寒帯域の3定点において、ほぼ計画通りに窒素固定活性を捉え、シングルセル解析用試料を現場環境データと併せて採取することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
西部北太平洋の亜熱帯・亜寒帯域において採取したサンプルの分析とデータ解析を完了させ、CARD-FISH法の確立に向けて検討を進める。さらに令和6年8-9月に実施される学術研究船「白鳳丸」KH-24-9次研究航海に参加して窒素固定者の検出および窒素固定由来窒素の行方を調べるための試料を採取する。
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