Project/Area Number |
23K27015
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Project/Area Number (Other) |
23H02322 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Policy Research Institute, Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries |
Principal Investigator |
飯田 恭子 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70337228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市田 知子 明治大学, 農学部, 専任教授 (00356304)
須田 文明 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70356327)
山本 祥平 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70806265)
丸山 優樹 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (60832665)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 持続可能な発展 / EU農村振興 / コミュニティ主導 / LEADER / Local Action Group / EU / 農村振興 |
Outline of Research at the Start |
EUでは、持続可能な発展のためのグローバルな課題を、地方分権の立場から解決する仕組みづくりに試行錯誤してきた。近年、SDGs、欧州グリーンディールなど、国際的な目標が明確化した。一方、EUは、地域の人々と組織が連携して農村振興に取り組むLEADER事業を実施し、そこでは、ローカル・アクション・グループが持続可能な発展にむけて実践のノウハウを蓄積してきた。 本研究は、LEADER事業を対象に、持続可能な発展にむけたグローバル課題への地域対応の貢献、地域の貢献を可能とするEU・国・地域間の役割調整、知識移転について調査・分析する。日本における持続可能な農村振興の実践的要件の解明に資することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地方分権の立場からマルチレベルでグローバルな課題に対応する仕組みを捉え、持続可能な発展にむけてボトムアップが機能する際の重要なファクターを解明することである。令和5年度は、ドイツでは、ヘッセン州及びニーダーザクセン州におけるLEADER地域の2014-2020年期(2022年まで延長)農村振興計画書の目標・事業計画を分野別に整理した。それを踏まえて調査票を作成し、連邦州の農村振興戦略を事後評価した連邦フォン・テューネン研究所の研究者に聞き取り調査を行った。ローカル・アクション・グループ(LAG)の取組に関しては、ヘッセン州では地域ブランド商標を活用して有機農業を普及する第3セクターに対して、ニーダーザクセン州では再生可能エネルギーを活用して食品アクセスを改善する市民の店に対して、ノルトライン・ヴェストファーレン州では、有機農業支援のため設立した市民による株式会社に対して聞き取り調査を行った。フランスでは、持続的食料システムに関して、セヴェンヌ国立公園の地理的表示を活用した地産地消について文献調査を行った。また、二つのローカル・アクション・グループの調査を行なった。 今年度の調査では、LAGの取組が、グローバル課題に貢献していることを捉えた。本研究では、ボトムアップ型の実践が伝播する際の重要なファクターとして、LEADERの原点には、草の根的な、持続可能な発展を志向するオルタナティブな「地域イメージ」があると考えている。聞き取り調査では、「地域イメージ」はフランチャイズのように先駆的なLAGから後発のLAGに伝わるのではなく、先駆的なLAGから後発のLAGへと、ノウハウの集合体が知識移転する過程で、後発のLAGが草の根的に、自らの地域が必要とする知識を選抜して取り入れ、「自らの地域イメージ」を持続可能な発展を志向するものへと、独自に構築しているように思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査、現地調査・聞き取り調査を通じて、分析に必要な情報収集を行い、新たな仮説を構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①グローバル課題への地域対応の貢献に関しては、引き続き、国別に調査・分析を進めたうえで、国際比較分析を実施する。 ②グローバル課題の解決にむけたローカルの貢献をマルチレベルで促す仕組みの解明に関しては、持続可能な発展のための国際的な政策、EU・CAPの農村振興政策、国・州の農村振興プログラム、LEADER地域の農村振興計画書を比較分析する。グローバルな課題・目標に関する記述を照合し、マルチレベル間の共有状況を考察する。あわせて、LAG、国・州、EUに聞き取り調査を行い、地方分権の立場からの分担、実践の仕組みを捉え、また、レベル間での調整方法を国別に整理する。 ③ ボトムアップ型の実践が伝播する際の重要なファクターの解明に関しては、文献調査の結果分析を深化させる。LAGを設立時期別に分類し、2014-2020年期(2022年まで延長)と2023-2027年期の農村振興計画書の目標・事業計画の分野を比較することで、先駆的なLAGと後発のLAGでは、持続可能な発展にむけた実践の特徴と普及に違いがあるか、また、地域間で知識移転しているかを分析する。 上記の研究成果を国内外での学会で報告し、雑誌等に論文を投稿する。
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