バイオマス由来の低分子化リグニンを活用したカビの次世代型光殺菌技術の開発
Project/Area Number |
23K27041
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Project/Area Number (Other) |
23H02348 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
白井 昭博 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 准教授 (40380117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田端 厚之 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (10432767)
浅田 元子 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (10580954)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | バイオマス / リグニン / 光殺菌 / カビ / かび毒 |
Outline of Research at the Start |
カビ汚染された飼料を介してかび毒を摂取することによる家畜の肝障害、食欲不振、嘔吐などの中毒症、さらに家畜を経由して畜産食品をかび毒で汚染する危険性がある。抗カビ剤や農薬による飼料の殺菌処理は、カビの耐性化や家畜の健康への悪影響が懸念されるため、かび毒汚染させないための解決手段が必要である。本研究では、食糧と直接競合しないバイオマス中に含まれるリグニンの活用と光の組み合わせで、カビの生育抑制およびかび毒産生抑制効果を最大に引き出す次世代型カビ制御技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
乾燥した稲わらを4条件で水蒸気爆砕した(25atmと30atmで5分と10分)。その残渣を水洗浄した後、エタノールで抽出される低分子化リグニンを得た。フザリウムグラミネアラムに対するアッセイにおいては、それら分解物の添加濃度に総ポリフェノール量(TP量)を用いるため、フォーリンチオカルト法により没食子酸当量とするTP量を決定した。その結果、爆砕処理にほとんど影響されず、それら試料のTP量は315~346 mg/gであった。 リグニン分解物のフザリウム属菌に対する生育抑制効果を検討するために、まず光のみの処理(365nm、385nm、405nm)による抑制効果を調べ、20%程度の抑制効果を示す光処理時間をそれぞれ30分、90分、150分と決定した。各波長での照射処理における低分子化リグニンの併用効果を調べた。その結果、25 atm、10分の水蒸気爆砕処理した低分子化リグニンをTP量10 mg/Lと385 nmで90分間処理することで50%に近い生育抑制効果が得られることを見出し、またその効果は光との併用時に発揮されることも分かった。他の3条件で得られた低分子化リグニンも光との併用下で相乗効果を示したが、15~20%であった。 デオキシニバレノールの生合成関連遺伝子の情報を収集し、その関連遺伝子(生合成経路の上流に関連する4遺伝子)の発現量をΔΔCt法で解析する方法を確立した。 リグニン分解物はポリフェノールの重合体であるため、その単量体の類縁体であるフェルラ酸を標準物質として用いて、365nmの光との併用ならびに連続処理によるフザリウム属菌の生育とデオキシニバレノール産生への影響を調べた。その成果を学会発表し、さらに英文誌に投稿し受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
稲わらを4条件(25atmと30atmで5分と10分)で水蒸気爆砕処理し、その残渣のエタノール抽出により低分子化リグニンを得た。それら低分子化リグニンとnear UV(365 nmと385 nm)およびaBL(405 nm)の光を併用し、フザリウム属菌の生育に対して50%に近い抑制効果が得られる条件を見出した。次に、デオキシニバレノールの生合成関連遺伝子の情報を収集し、デオキシニバレノール生合成に関連する遺伝子(生合成経路の上流に関連する4遺伝子)の発現量をΔΔCt法で解析する方法を確立した。 以上より、令和5年度の実施計画を概ね遂行できていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
25atm、10分の水蒸気爆砕処理で低分子化されたリグニンと385 nmの光を併用した結果、強い生育抑制における相乗効果が得られたことから、追加試験としてその濃度影響(5~20 mg/L)について調べる。並行して、その併用方法によるデオキシニバレノール産生量への影響を、菌糸当たりの重量で検討する。併せて、その産生量への併用する光波長の影響を調べるため、365 nmと405 nmとの併用効果についても検討する。そして、デオキシニバレノール産生関連遺伝子の発現解析によって、デオキシニバレノール産生量変化との関連性を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)