ニホンリスを病態モデルとしたフィブリノゲンα鎖アミロイドーシス発生原理の解明
Project/Area Number |
23K27073
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Project/Area Number (Other) |
23H02380 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
村上 智亮 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10728447)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
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Keywords | アミロイドーシス / 獣医病理学 / アミロイド / ニホンリス / フィブリノゲンα鎖 / 動物園動物 / 疾患モデル / 比較病理学 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではフィブリノゲンα鎖アミロイドーシスを高頻度に自然発症するニホンリスを病態モデル動物に設定し、難治性疾患であるフィブリノゲンα鎖アミロイドーシスの発生原理を解明する。加えて、マウス・ラットを用いてアミロイドーシス実験的誘発モデルの作出を試みる。これらに基づき、モデル動物を用いた将来的な治療法開発への礎を築く。
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Outline of Annual Research Achievements |
国内の5つの動物園で斃死したニホンリス計38例の全身臓器を対象に病理組織学的解析を実施し、29例(76.3%)に腎臓の糸球体へのアミロイド沈着を特徴とする全身性アミロイドーシスが生じていることを発見した。4歳以上の高齢個体におけるアミロイドーシス罹患率は約9割に上り、統計解析の結果、加齢とアミロイドーシス発症に有意な関係が認められた。 次いで免疫組織化学および質量分析法を用いたプロテオーム解析を実施し、アミロイドの原因タンパク質がフィブリノゲンα鎖であることを同定した。質量分析で得られたペプチドの解析に基づき、フィブリノゲンα鎖のC末端領域のおよそ100アミノ酸残基がアミロイド形成に関与していることが明らかとなった。 飼育施設で管理していたニホンリスの家系図を調べたところ、野生個体の直近の子孫が本疾患を発症していることが判明した。このため、ニホンリスの本病態は動物園での育種によって(突然変異によって)獲得されたものではなく、本種が元来抱える加齢性疾患であると結論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニホンリスにおけるフィブリノゲンα鎖アミロイドーシスの発症要因として加齢を明らかにした。また、質量分析に基づき、フィブリノゲンα鎖におけるアミロイド形成領域を解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に明らかにしたフィブリノゲンα鎖におけるアミロイド形成領域のアミロイド形成能をin vitroで証明するために、合成ペプチドを用いたアミロイド線維形成能評価試験を実施する。また、ニホンリスと近種であるエゾリスの症例を収集し、アミロイドーシス罹患状況を精査するとともに、フィブリノゲンα鎖の配列を決定し、アミロイド形成に関わるアミノ酸置換を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(16 results)
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[Presentation] OUTBRAKE OF FIBRINOGEN Aα-CHAIN-DERIVED GLOMERULAR AMYLOIDOSIS IN JAPANESE SQUIRRELS2023
Author(s)
Susumu Iwaide, Nanami Ito, Shiori Ogino, Kaori Kojima, Natsumi Kobayashi, Satoshi Koyama, Shumpei Hisamoto, Hirotaka Kondo, Yoshiyuki Itoh, Miki Hisada, Yuki Hoshino, Daisuke Nakagawa, Yuki Matsubara, Shin-ichi Nakamura, Hiroshi Satoh, Kenichi Watanabe, Motoki Sasaki, Hisashi Shibuya, Tomoaki Murakami
Organizer
2023 ACVP/ASVCP Annual Meeting
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Int'l Joint Research
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