Project/Area Number |
23K27081
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Project/Area Number (Other) |
23H02388 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
枝村 一弥 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80366624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 満 東京医科歯科大学, 統合研究機構, プロジェクト助教 (00733908)
村田 大紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (00772683)
塩澤 誠司 久留米大学, 医学部, 教授 (10447039)
久末 正晴 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80333144)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 再生医療 / 運動器疾患 / iPS細胞 / 再生医療製品 / 犬 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、臨床応用可能な犬の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用した動物用再生医療製品を開発するための基盤技術を確立し、獣医療への社会実装を目指す実際的な研究である。「臨床グレード」と呼べるレベルの犬のiPS細胞から、神経幹細胞、血小板、靱帯・半月板への分化誘導技術を確立し、安全性の評価を行う。本研究の成果は、ドナーとして犬を用いずに治療用の細胞や組織を構築でき、難治性疾患の治療への応用が期待できるだけでなく、世界初・日本発の動物用再生医療製品の開発を現実的なものにすることが可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1) iPS細胞由来神経幹細胞集合体の作製技術の確立(枝村・塩澤):低分子化合物を添加したiPS細胞用培養液で犬のiPS細胞を培養した。得られた犬のiPS細胞を96ウェルVボトムプレートに播種し、PrimaryおよびSecondary Neurosphere培地を用いてNeurosphereへと分化誘導した。さらに、Neurosphereのニューロンへの分化能を確認した。その結果、Neurosphere様の細胞塊を作製することに成功したが、ニューロンへの分化誘導能については十分に証明することができなかった。 2) 犬のiPS細胞から血小板への安定した分化誘導法の確立(枝村・久末):当該研究者らが既に確立している手法を用いて、犬のiPS細胞から造血幹前駆細胞へと分化誘導を行った。さらに、犬のiPS細胞から得られた造血幹前駆細胞にレンチウイルスベクターを用いc-myc、BMI1、Baxを導入し、巨核球への分化誘導を試みている。 3)iPS細胞由来靱帯組織の作製技術の確立(枝村・村田): iPS細胞由来間葉系幹細胞および靱帯細胞からなる凝集塊を作製し、細胞数、培養期間、使用する培地の違いが、凝集塊の大きさと真円度に与える影響について比較・評価した。また、上記の評価を基に、バイオ3Dプリンタでの積層に適した凝集塊を作製し、チューブ状の細胞構造体を造形することに成功し、自動伸展循環培養装置を用いた伸展刺激に十分耐え得ることも確認した。 4) iPS細胞由来半月板の分化誘導法と評価法の確立(枝村・水野): 本研究を推進するため、動物用の細胞培養加工施設の維持管理に有用となる基礎技術を検証した。特に、製造工程管理において重要な要素となる安全キャビネット内の微粒子と細菌数の関係性に関する検討を行った。また、簡易の細胞観察装置を作製し、深層学習によって細胞数の計測を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究室で保有する犬のiPS細胞株を網羅的に検討に用いているが、分化誘導能の高い細胞株の検索に時間を要した。しかし、本年度の研究は、2年計画の一部を構成する内容であるため、大きな遅れとはなっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
1) iPS細胞由来Neurosphereの作製技術の確立(枝村・塩澤):複数の犬のiPS細胞株から胚葉体を作製し、次に浮遊培養法にてNeurosphereを作製する。そして、qPCR、ウェスタンブロッティング、免疫染色を行い、得られた細胞塊がNeurosphereであることを証明する。さらに、犬のiPS細胞から作製したNeurosphereを付着培養し、ニューロン、アストログリア、オリゴデンドロサイトへの分化誘導を試みる。 2) 犬のiPS細胞から血小板への安定した分化誘導法の確立(枝村・久末):犬のiPS細胞から造血幹前駆細胞へと分化誘導を行う。さらに、犬のiPS細胞から得られた造血幹前駆細胞をトロンボポエチンやヘパリンを含む培養液で培養することで巨核球への分化誘導を試みる。そして、巨核球が成熟するに伴い血小板の放出が始まることを確認する。これらの細胞が認められたら回収し、免疫染色、表面抗原の確認、電子顕微鏡を用いた微細構造の評価を行い、血小板であることを立証する。 3)iPS細胞由来靱帯組織の作製技術の確立(枝村・村田):代表者の施設で犬のiPS細胞由来間葉系幹細胞を作製し、さらに靱帯細胞へ分化誘導する。次いで、研究分担者がバイオ3Dプリンターを用いてiPS細胞由来間葉系幹細胞を三次元で積層し、人工材料を用いずに靱帯組織を作製する。そして、病理組織学的な検証を行い、健全な靱帯組織との比較を行う。 4) iPS細胞由来半月板の分化誘導法と評価法の確立(枝村・水野):犬のiPS細胞由来間葉系幹細胞を半月板の形状となるように三次元積層および組織培養をして、人工材料や異種動物由来材料を含む足場を用いずに半月板組織を作製する。さらに、得られた組織の病理学的検査や、プロービングセンサーを用いた硬度計測を行いうことで、培養半月板の評価法の確立を目指す。
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