タンパク質局在化における校正機構の分子構造基盤の解明
Project/Area Number |
23K27130
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Project/Area Number (Other) |
23H02437 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 俊介 九州大学, 農学研究院, 助教 (70704295)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | タンパク質配送の校正 / クライオ電子顕微鏡解析 / ミトコンドリア / ペルオキシソーム / 小胞体 / Msp1 / オルガネラ |
Outline of Research at the Start |
申請者らは、細胞にはタンパク質の配送をやり直す仕組み、すなわちタンパク質の局在化を校正するシステムが存在することを見出し、その分子機構を明らかにしてきた。本研究は、出芽酵母をモデル系とし、小胞体膜タンパク質、ペルオキシソーム膜タンパク質そしてミトコンドリア前駆体タンパク質について、配送やり直しの検証、分子機構の解明を目指す。そして、クライオ電子顕微鏡解析による膜引き抜きATPアーゼMsp1と基質複合体の立体構造を決定し、Msp1による基質認識および膜引き抜き機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、細胞にはタンパク質の配送をやり直す仕組み、すなわちタンパク質の局在化を校正するシステムが存在することを見いだし、その分子機構を明らかにしてきた。本研究では、出芽酵母を用いて、小胞体膜タンパク質、ペルオキシソーム膜タンパク質(PMP)そしてミトコンドリア前駆体タンパク質について、配送のやり直しを検証し、分子機構の解明を目指している。さらに、クライオ電子顕微鏡を用いた構造生物学的手法により、誤配送タンパク質の除去に関わるAAA型ATPアーゼMsp1の立体構造を解析することで、Msp1による基質認識および基質膜引き抜き機構の解明を目指している。昨年度までに申請者は、オーキシン誘導型分解(AID)法により、PMPのペルオキシソームへの標的化に関わるPex19にデグロンタグを付加した酵母株を作製し、オーキシン依存的にPex19を急速分解できる系を確立した。この系を利用して、Pex19を急速分解すると同時に、PMPの発現を誘導することにより、新規合成されたPMPを効率的にミトコンドリアに誤配送させることが可能となった。そして、蛍光顕微鏡を用いたタイムラプス観察により、ミトコンドリアに誤局在したPex15がMsp1を介してペルオキシソームに移動する様子を撮影することに成功した。一方で、申請者はクライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって、耐熱性酵母由来Msp1とゼブラフィッシュ由来ATAD1(Msp1ホモログ)の膜貫通配列を除いた可溶性領域の立体構造を決定した。その結果、Msp1/ATAD1はホモヘキサマーを形成し、各サブユニットがらせん状階段状にアセンブリーした構造であることが明らかになった。さらに、Msp1/ATAD1のヘキサマー中央のリングに結合した基質模倣ペプチドの認識機構が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出芽酵母のペルオキシソームに局在するテイルアンカー型(TA)タンパク質Pex15は、これまでTAタンパク質を小胞体に輸送するGET経路を介してまず小胞体に標的化し、次に小胞輸送を介してペルオキシソームに局在化する機構が提唱されていた。このモデルに対し、申請者はPex19の急速分解系を用いることで、Pex15はPex19-Pex3経路を介して直接ペルオキシソームに標的化することを見いだし、Pex15の真のペルオキシソーム局在化経路を明らかにしたことは1つの成果である。さらに、Pex19の急速分解系を用いて、ミトコンドリア外膜に誤配送されたPex15は、Msp1依存的にペルオキシソームへ再配送(局在化が校正)されることを見いだした。さらに、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって、耐熱性酵母由来Msp1とゼブラフィッシュ由来ATAD1の膜貫通配列を除いた可溶性領域の立体構造に成功した。構造解析の結果、Msp1とATAD1はともに、サブユニットがらせん階段状に集合したホモヘキサマーであり、Msp1についてはオープン型構造、ATAD1についてはオープン型構造とクローズ型構造が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後解明すべき優先課題は、Msp1依存的なPex15の配送やり直しの分子機構を解明することである。すなわち、Msp1によって引き抜かれた誤配送Pex15が、どのようにしてペルオキシソームに移動するのかについて、Pex19-Pex3経路の関与を検証する。昨年度に構築した蛍光顕微鏡タイムラプス観察系を用いて、Pex19が存在しない条件においてMsp1依存的なPex15のペルオキシソーム移動が阻害されるのかを検討する。また、ペルオキシソームに再配送されなかったPex15がどのように分解されるのか、ユビキチン-プロテアソーム系の因子を特定し、分子機構の解明を目指す。申請者が決定したMsp1とATAD1の構造情報をもとに、変異体の機能解析を行う。そして、AF2モデルとMDシミュレーションを組み合わせ、膜貫通配列を含むMsp1/ATAD1全長のアセンブリー構造、ATPの加水分解に伴う反応サイクルの解析を行う。さらに、酵母発現系より膜貫通配列を含むMsp1全長とモデル基質(Pex15Δ30)複合体を調製し、クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析を進める。また、申請者が作製した酵母細胞内にミトコンドリアタンパク質前駆体を蓄積させることができる系を用いて、ミトコンドリアに輸送されなかった前駆体の中でMsp1を介してミトコンドリアへの取り込みが促進される基質の探索を行う。昨年度作製したシグナル認識粒子の構成因子Srp72にAIDデグロンタグを付加した酵母株を用いて、小胞体膜タンパク質をミトコンドリアに誤配送させる系を確立させ、Msp1に依存して小胞体に再配送される基質の探索を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)