Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)水分解・酸素発生反応の分子機構の解明:光化学系Ⅱタンパク質における水分解・酸素発生反応におけるプロトン移動機構を明らかにするため、量子力学/分子力学(QM/MM)計算を用いて、プロトン移動経路の有力候補であるCl-1チャネル中の水素結合ネットワークの安定構造および準安定構造を計算した。その結果、Cl-1チャネル上に存在するD1-E65とD2-E312のグルタミン酸ペアがプロトン移動のゲートとして働き、「閉型」から「開型」へ構造変化することにより、グロッタス機構によるプロトン移動が駆動されることが示された。また、Cl-1チャネルの基準振動解析から、このチャネルを形成する水分子およびカルボキシル基のOH伸縮振動のプロトン移動への関与を示した。 (2)Mn4CaO5クラスターの構築機構の解明:シアノバクテリアの光化学系Ⅱタンパク質からMn4CaO5クラスターを除去したアポ光化学系Ⅱを用いて、Mn4CaO5クラスター構築の初期過程の分子機構をラピッドスキャン時間分解フーリエ変換赤外(FTIR)解析を用いて調べた。Mn2+存在下での閃光照射後の時間分解FTIRスペクトルにより、Mn3+への光酸化と、それに続くMn3+の移動とタンパク質コンフォメーション変化を観測した。Mnイオンへの配位子の候補である、D1-D170, D1-E189, D1-D342をAlaに改変した変異体、および、D170に特異的13C同位体置換を施した光化学系Ⅱを用いることにより、最初に光酸化されるMn2+には、D170とE189が配位していることが示された。これらの結果から、Mn4CaO5クラスター構築の初期過程のモデルを提唱した。
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