Project/Area Number |
23K27142
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Project/Area Number (Other) |
23H02449 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小島 慧一 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (60819267)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 光生物学 / ロドプシン / 光操作 / オプトジェネティクス / オプシン |
Outline of Research at the Start |
光受容タンパク質・ロドプシンは、生物個体や細胞の生理応答を光で操作する技術「オプトジェネティクス(光遺伝学)」における応用研究で注目されている。現在、多種多様な生物種から万を超えるロドプシン遺伝子・分子が見出されており、様々な性質を示す分子が同定されている。しかし、ロドプシンの種類/性質には関係なく、神経活動の制御へとロドプシン分子を適用(=利用)する流れが主流であり、他の生理応答制御への適用は少ないのが現状である。本研究では、多様なロドプシン分子の性質を理解し、ロドプシンの分子機能に立脚した新しい光操作システムを構築する。これにより、神経活動以外の多様な生理現象を光で制御する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多様なロドプシン分子の性質を理解し、ロドプシンの分子機能に立脚した新しい光操作システムを構築する。そのため、交付申請書に記載した実験計画に沿って、(1)「新奇的なロドプシンの同定」、(2)「ロドプシンの作動原理の理解と新奇ロドプシンの開発」、(3)「生物個体・細胞への適用と光操作ツールの開発」の項目を進めてきた。 「新奇的なロドプシンの同定」に関しては、以下の①~②に取り組んだ。①甲殻類由来ロドプシンの分光学的・生化学的解析を行った。その結果、高いGiおよびGq活性化能を持つ分子の同定に成功した。加えて、双安定性を持つ紫外光感受性分子の同定にも成功した。②鋏角類由来ロドプシンの分光学的・生化学的解析を行った。その結果、高いGq活性化能を持つ可視光感受性分子の同定に成功した。 「ロドプシンの作動原理の理解と新奇ロドプシンの開発」に関しては、以下の①~②に取り組んだ。①視覚ロドプシンの生化学的・分光学的解析を行うことで、それらが示す低ノイズ性が、タンパク質の構造揺らぎの小ささに由来することを見出した。②ナトリウムポンプ型ロドプシンのカルボン酸残基に変異を導入することで、塩化物イオン依存性のナトリウムポンプ型分子の創成に成功した。 「生物個体・細胞への適用と光操作ツールの開発」に関しては、以下の①~②に取り組んだ。①外向きプロトンポンプロドプシンをがん由来細胞に導入し、in vitroレベルで細胞死を誘導できる手法を開発した。②外向きプロトンポンプロドプシンまたは内向きプロトンポンプロドプシンをバクテリアに導入することで、光でべん毛運動および遊泳を上昇/減少させるシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物および微生物由来の多様なロドプシン分子の機能発現系の構築に成功しており、分光学的・生化学的・細胞学的・電気生理学的手法を活用することで、40種類以上のロドプシン分子の性質・機能の解析を実現した。それにより、新しいタイプの分子の同定や機能発現メカニズムの理解が順調に進んでいる。 また、動物および微生物細胞を対象に、ロドプシンの性質を生かした新しいタイプの光操作技術を開発することにも成功している。 以上のように、全ての項目(1)「新奇的なロドプシンの同定」、(2)「ロドプシンの作動原理の理解と新奇ロドプシンの開発」、(3)「生物個体・細胞への適用と光操作ツールの開発」において順調に成果・業績をあげていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も継続して、(1)「新奇的なロドプシンの同定」、(2)「ロドプシンの作動原理の理解と新奇ロドプシンの開発」、(3)「生物個体・細胞への適用と光操作ツールの開発」を進めていきたい。 「新奇的なロドプシンの同定」に関しては、以下に取り組む:これまでにロドプシンの分子解析が進められていない動物種(例:線形動物、緩歩動物)の分子性質・機能を明らかにすることで、新しいタイプの分子の同定を目指す。 「ロドプシンの作動原理の理解と新奇ロドプシンの開発」に関しては、以下に取り組む:これまでに創成した塩化物イオン依存性のナトリウムポンプ型分子の機能発揮メカニズムを分光学的・構造学的解析を通じて明らかにする。メカニズムの理解に基づいてアミノ酸変異を導入し、他のイオン結合型分子や基質イオンを改変した新しいタイプの分子の創成を目指す。 「生物個体・細胞への適用と光操作ツールの開発」に関しては、以下に取り組む:これまでに同定した高活性型Gq共役型分子を活用し、細胞内Ca2+濃度上昇を介して、細胞遊走を制御できる光操作法を開発する。 以上のように、2023年度に得られた知見を活用することで、各項目を並行して進める予定である。
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