Project/Area Number |
23K27143
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Project/Area Number (Other) |
23H02450 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
菅 倫寛 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (60634920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 奈見季 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40581020)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 半金属 / 輸送体 / ケイ素 / ヒ素 / 膜タンパク質 / クライオ電子顕微鏡 / 膜輸送体 / チャネル / 金属 |
Outline of Research at the Start |
イネ科植物は土壌中のケイ酸を根から取り込み、体内に蓄積させて各種ストレスから身を守っている。イネは人体に有害な亜ヒ酸をケイ酸と区別せずに吸収するので、亜ヒ酸を吸収したイネを摂取することによる人の健康被害が問題となっている。イネのケイ酸の取り込みは根に存在する2タイプの輸送体Lsi1とLsi2が担っている。本研究はこれら輸送体の立体構造をヒントにして有害元素を透過させない改良型の輸送体の作出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ケイ酸チャネルLsi1はすでに結晶構造を報告しているが、岡山大に導入されたクライオ電子顕微鏡で溶液条件と凍結条件を検討して、構造解析に成功した。その結果、結晶構造とクライオ電顕構造とで共通した部分が多かったが、基質選択フィルターを構成する水分子の数や、チャネル入口に違いが見つかった。今後は電顕試料の条件を改善して、分解能を向上させ、これらの構造の違いによる生理機能への役割を明らかにする。また、クライオ電顕を用いて金属輸送体の立体構造を高分解能で解析することにも成功した。すなわち、1種類の金属輸送体について、基質の結合していない状態、基質が結合した状態、別の基質が結合した状態の3つの立体構造を比較して、基質の選択に重要なアミノ酸残基の候補を明らかにしている。また、クライオ電子顕微鏡を用いて別の金属輸送体と半金属チャネルの立体構造をそれぞれ決定した。立体構造から基質選択に重要なアミノ酸残基の候補を絞り込んだ。
また、結晶構造とクライオ電顕構造に基づいた変異体を作成し、それら変異体の基質輸送活性をアフリカツメガエル卵母細胞発現系により測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたLsi1の構造解析に加え、金属輸送体の構造解析にも成功した。金属輸送体の構造解析の経験を活かして今後の構造解析をさらに加速できると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、ケイ素の輸送体を中心に構造解析を進める。しかし、金属輸送体の構造決定にも成功したので、変異体作成と機能解析を行って基質の選択に関わるアミノ酸を特定する。有用な変異体の候補が見つかれば、変異イネを作成して体内へミネラルの取り込みへの影響を調べる。
研究計画に掲げた、別のタイプのケイ素の輸送体の構造解析を進める。こちらの輸送体に関して大量培養・精製に成功し、単粒子構造解析と結晶化が進行中である。立体構造が得られたら、機能解析と理論計算を実施したのちに論文にまとめる予定である。
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