Project/Area Number |
23K27145
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Project/Area Number (Other) |
23H02452 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43040:Biophysics-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上田 太郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90356551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 哲博 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30360613)
NGO XUANKIEN 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (60778190)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | アクチン / 協同的構造変化 / ヌクレオチド交換 / ミオシン / コフィリン / 協同性 / 長距離アロステリー / 記憶効果 / 協働的構造変化 |
Outline of Research at the Start |
アクチン線維は、真核細胞の多様な細胞機能において中心的な役割を果たしている。こうしたアクチン線維の多機能性には、アクチン線維の構造多型性が寄与するという仮説が広く受け入れられつつあるが、構造多型性が生じうるメカニズムとして、長距離アロステリーと記憶効果という、全く異なる二つのメカニズムが想定しうる。そこで本研究ではどちらのメカニズムが主であるかを実験的に明らかにし、アクチン線維の機能分化の分子機構の本質に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
アクチン線維(以後AFと略記)は、真核細胞の多様な細胞機能において中心的な役割を果たしている。こうしたAFの多機能性には、AFの構造多型性が寄与するという仮説が広く受け入れられつつある。これらの現象には、(i) AFに結合したアクチン結合タンパク質ABPがAFの長軸方向に長距離の協同的構造変化を誘起する長距離アロステリーと、(ii) ABPはAF内のactin分子(protomer)に対してランダムに結合解離を繰り返しており、短時間結合されたprotomerはその履歴を一定時間記憶するために、疎らな結合密度でも多数のAF protomerが構造変化する記憶効果という、全く異なる二つのメカニズムが関与しうる。そこで本研究課題では、ABPがAFの機能を変調するわれわれ独自の3つの実験系(ミオシンIIによるコフィリン結合の阻害、G680Vミオシンによるアクトミオシン運動加速、Rng2CHDによるアクチンミオシン運動の阻害)において、長距離アロステリーと記憶効果の寄与を検討し、さらにその具体的なメカニズムの解明を目指す。2023年度の顕著な成果として、ATP存在下でミオシンモーターがADP結合型のAFと相互作用すると、AFと結合したADPが溶液中のATPと速やかに交換されることを発見した。これによりコフィリンのAF結合が阻害されることが説明可能である。これは記憶効果に分類される機構であるが、長距離アロステリー的要素も見られ、今後の研究課題となった。またG680Vミオシンモーターによるアクトミオシン運動の加速についても、抗アクチンナノボディとTIRFによる一分子観察系が確立され、結合したG680Vミオシンモーターによる影響がマイクロメートルオーダーの長距離におよぶことを示唆する予備的な結果が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象としてあげた3つの実験系のうち、ミオシンIIによるコフィリンのAF結合の阻害、およびG680Vミオシンによるアクトミオシン運動加速については進捗が見られた。とくに前者に関しては、ミオシンによるAFのヌクレオチド交換反応の促進という具体的な分子機構に迫る新知見が得られている。この結果は想定外であったが、重要な生理的意味を持ち得る。G680Vミオシンによるアクトミオシン運動加速についても実験系が確立されたので、着実な進歩があったと考えている。他方、三つ目の実験系であるRng2CHDによるアクチンミオシン運動の阻害については特に進捗がなかった。これは、このテーマを担当した卒研学生が当初の院進学予定を変更して他大院に進学してしまったことが主因であるが、再度体制を整えることができれば取り組んでいきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたように、3つの実験系のうちミオシンIIによるコフィリンのAF結合の阻害に関しては、ミオシンによるAFのヌクレオチド交換反応の促進という具体的な分子機構を発見した。AFに結合したヌクレオチドの差異はフィラメントの構造ゆらぎに大きく影響するので、この現象は重要な生理的意義をもちうる。そこで今後はこれを突破口に集中的に研究を進めていく。具体的には、ヌクレオチド交換とコフィリンのAF結合阻害の相関や、長距離アロステリーの方向性を高速AFMで解明したいと考えている。また研究計画には記載をしていないが、将来的には分子動力学的なシミュレーション計算による詳細なメカニズム解明も視野に入れている。実験系が確立できたG680Vミオシンによるアクトミオシン運動加速については、さらに実験系の改良(GFPを褪色しにくく蛍光量子収率の高い蛍光タンパク質に交換する等)を施したうえで基礎的なデータを収集して、長距離アロステリーの影響がおよぶ範囲を正確に見積もりたい。そのうえで、クライオ電顕観察に夜構造解析に持ち込み、加速メカニズムの解明に繋げていきたいと考えている。
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