Project/Area Number |
23K27171
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Project/Area Number (Other) |
23H02478 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44010:Cell biology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小迫 英尊 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (10291171)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | プロテオミクス / 自然免疫 / STING / オルガネラ間輸送 / シグナル伝達 / 近接ビオチン標識 / APEX / BAR / ACBD3 |
Outline of Research at the Start |
自然免疫分子STINGのシグナル伝達は翻訳後修飾やオルガネラ間輸送によって制御されるが、STINGを様々に修飾する酵素の実体およびSTINGと相互作用してオルガネラ間輸送を制御する分子機構は不明な点が多い。そこで本研究では、複数の最先端のプロテオミクス技術を開発することにより、小胞体局在時からリソソームで分解されるまでの過程における、STINGの様々な翻訳後修飾と相互作用タンパク質を網羅的に同定・定量する。そして新たに見出した修飾および相互作用因子がSTINGのオルガネラ間輸送やシグナル伝達を制御する仕組みを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫分子STINGは、環状ジヌクレオチドと結合すると小胞体からゴルジ体に移行して遺伝子発現を誘導した後、エンドソームさらにリソソームに移行して分解される。このようにSTINGのシグナル伝達はオルガネラ間輸送によって制御されるが、STINGと相互作用する様々なタンパク質がオルガネラ間輸送を制御する分子機構は不明な点が多い。これまでにAPEX2-STING安定発現細胞を膜透過処理してSTINGリガンドを細胞内に導入し、10度で培養することで小胞体からの脱出を阻害した状態で近接ビオチン標識を行うことにより、ゴルジ体局在タンパク質であるACBD3などを見出していた。本年度は近年開発されたDIA (data-independent acquisition)法で質量分析することにより、従来の2倍以上のタンパク質を定量することに成功し、新たなリガンド刺激依存的なSTINGとの相互作用因子の候補を見出した。また外来性でなく内在性の活性化STINGとの相互作用因子を同定するために、hTERT-BJ1細胞に膜透過性STINGアゴニストを加えた後、リン酸化STING抗体を用いたBAR (biotinylation by antibody recognition)法によってリン酸化STINGの近傍タンパク質をビオチン標識した。ビオチン化タンパク質をストレプトアビジンビーズで精製し、ビーズ上でトリプシン消化してDDA (data-dependent acquisition)法による質量分析を行ったところ、1139種類のタンパク質が定量された。この中にはSTING自身だけでなく、STINGをリン酸化するTBK1やACBD3などが含まれていたため、BAR法は有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DIA法を用いた質量分析の導入により、相互作用タンパク質の候補を従来よりも2倍以上同定することが可能になった。また、抗体を用いた近接ビオチン標識法であるBAR法を確立することにより、外来性でなく内在性の活性化STINGと相互作用するタンパク質の候補を同定できるようになった。BAR法で同定されたタンパク質の中には、活性化STINGとの既知の相互作用因子が複数含まれていたため、STINGのオルガネラ間輸送を制御する新たな相互作用因子が含まれている可能性が期待される。以上のことよりおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
APEX法やBAR法で同定された活性化STINGとの新たな相互作用因子の候補について、STINGのオルガネラ間輸送や下流シグナル伝達への影響をノックダウン実験などによって検討する予定である。またSTINGとリガンド刺激依存的に相互作用するACBD3はSTINGを小胞体とゴルジ体の接触部位に濃縮させる機能を有しており、STINGの小胞体からゴルジ体への移行と下流シグナル伝達に重要な役割を果たしているが、その分子機構は不明な点が多い。そこで近接ビオチン標識法やIP-MS(免疫沈降-質量分析)法などによってACBD3との相互作用因子を網羅的に同定する予定である。
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