Project/Area Number |
23K27201
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Project/Area Number (Other) |
23H02509 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 44040:Morphology and anatomical structure-related
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小林 優介 茨城大学, 基礎自然科学野, 助教 (20800692)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 葉緑体核様体 / 葉緑体DNA / クラミドモナス / 細胞内共生 / 相同組換え |
Outline of Research at the Start |
葉緑体は、細胞核とは異なる独自のゲノムDNA(葉緑体DNA)を有し、分裂によってのみ増殖する。葉緑体増殖は細胞核の遺伝子によって制御されるが、特に、葉緑体DNAの分配・遺伝を制御する仕組みは理解されていない。葉緑体DNAは様々なタンパク質と相互作用することで葉緑体核様体構造として存在する。葉緑体分裂の直前に核様体は葉緑体中に細かく拡散することで、葉緑体核様体は娘葉緑体に分配されることが示されている。本研究は、葉緑体核様体形態と分配に異常を示す緑藻クラミドモナスの新奇変異体の解析を通して、細胞核が葉緑体核様体の形態と分配を制御する分子機構に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
葉緑体DNAは様々なタンパク質と相互作用することで葉緑体核様体構造を形成する。葉緑体分裂の直前に核様体は細かく拡散することで、葉緑体核様体は娘葉緑体に均等分配される。本研究は、単細胞性緑藻クラミドモナスの順遺伝学によって、葉緑体DNAの分配・遺伝機構の解明を目指す。我々が単離した変異体の一つであるnon-filamentous 1(nof1)変異体は、葉緑体核様体の拡散分配が観察されない。nof1変異体の原因遺伝子は、1000アミノ酸を超える長さの葉緑体局在タンパク質をコードしており、このタンパク質のC末端にはRAPと呼ばれるRNA結合ドメインが存在する。しかし、その他の大部分は明確な立体構造を有さない天然変性領域であると予測された。NOF1の天然変性領域が機能に必須か調べるために、天然変性領域を取り除いたNOF1で当該遺伝子欠損株の相補実験を行った。その結果、NOF1の一部の天然変性領域は、機能に必須ではないことが示唆された。また、NOF1の機能に必須な領域も同定できた。さらに、葉緑体DNAの相同組換えと分配に関わるMOC1遺伝子との遺伝学的相互作用を解析するために、NOF1とMOC1の二重変異体(nof1/moc1)を作出したところ、著しい成長遅延が観察された。つまり、NOF1はMOC1と冗長的な機能を有する可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葉緑体分裂の直前に核様体は細かく拡散するが、NOF1変異体は葉緑体核様体の拡散が観察されない。つまり、NOF1は葉緑体核様体の拡散分配を促進すると考えられる。NOF1は1000アミノ酸を超える比較的大きなタンパク質であるが、その大部分は天然変性領域が占める。天然変性領域を部分的に欠損させたNOF1で当該遺伝子の変異体を相補する実験を行うことで、NOF1の機能に必須な領域と必須ではない領域を特定することができた。次に、NOF1の機能に必須な領域を大腸菌で発現させ、高純度のNOF1組換えタンパク質を調整することに成功した。現在、この組換えタンパク質を利用して、抗NOF1抗体の作製と生化学的解析を行っている。さらに、葉緑体DNAの相同組換えと分配に関わるMOC1遺伝子とNOF1遺伝子の二重変異体(nof1/moc1)の解析から、NOF1がMOC1と冗長的な機能を有する可能性が示唆された。上記の通り、NOF1の遺伝学的・生化学的解析が、当初の計画通りに順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗NOF1抗体が調整でき次第、細胞周期におけるNOF1の局在挙動を間接蛍光抗体法で解析する。また、蛍光タンパク質を用いてNOF1の局在をライブイメージングで解析する。NOF1にはRAPと呼ばれるRNA結合ドメインがある。NOF1欠損による葉緑体遺伝子発現へ影響を、RNA-seqやノーザンブロッティングで解析する。
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