Project/Area Number |
23K27244
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Project/Area Number (Other) |
23H02553 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
本郷 裕一 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90392117)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 共生 / 原生生物 / 昆虫 / 腸内微生物 / ゲノミクス / ゲノム解析 / トランスクリプトーム / 1細胞 / ニッチ / 種分化 / シロアリ |
Outline of Research at the Start |
シロアリは木造建築物の世界的大害虫である一方、木質由来バイオ燃料開発への応用という観点からも着目されている。木片消化はシロアリ腸内に共生する原生生物(原虫)群集が担うが、系統的にごく近縁な原生生物種が多数同一腸内に共存する場合がある。なぜ、同じ木片を餌とする同属多種が安定的に共存し得るのか、またそれが木質消化にどのように寄与しているのかは不明である。シロアリ腸内原生生物は培養不能なため、本研究課題では、ゲノム配列を比較解析することで、これらの謎の解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、生態系における役割(生態的地位、ニッチ)が類似すると見られる生物種同士の共存機構、つまり多種共存機構の分子的基盤を明らかにすることを大きな目的としている。例えばシロアリにおいて、その高効率な木質消化を腸内原生生物叢が担うことはよく知られているが、そこでは、同属の木質分解性原生生物が10-20種類も一つの腸内に共存する場合がある。なぜ系統的に近縁かつ同様に木質を餌としていると見られる原生生物の多種がそのように共存できるのか、未知である。また、そもそもシロアリ腸内原生生物は人工培養不能であるため、これまで木質消化を含むその詳細な生理・生態は不明であった。そこで、シロアリ腸内共生原生生物のゲノム解読による基本代謝系等の解明も目的としている。 2023年度は、まず材料とする原生生物属について、1細胞ずつ顕微鏡下で採取し、1細胞ゲノム・転写産物配列取得のための処理を、数細胞について行なった。1細胞解析はサンプルごとの品質差が大きいため、予備的は配列取得を行い、良好なサンプルの選抜と取得条件の最適化を実施してきた(継続中)。また、これらの配列には、原生生物に絶対あるいは日和見共生する多様な細菌由来の配列が混入してくるため、同原生生物の共生細菌ゲノム配列も複数種について、取得中である(いくつかについては事前に取得済み)。これらの共生細菌の相違が原生生物の機能の相違に相関している可能性も高いため、これも重要な解析である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度には、まず比較対象とする原生生物属の高品質な1細胞解析のための予備的実験を実施してきた。ただ、できるだけ共生細菌や腸内細菌が混入しないような条件を整えるのは容易ではなく、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、対象とする原生生物属の1細胞解析条件の最適化を完了し、実際の解析に着手する。まずは1種類(1細胞)について詳細な解析を完了することを目指す。
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