Project/Area Number |
23K27246
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Project/Area Number (Other) |
23H02555 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
辻 かおる 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (40645280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 直 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50182019)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | 雌雄差 / 花蜜内微生物 / 送粉 / 結実 / 花 / 花蜜 / 微生物 / 群集 / 植生 / 植物 |
Outline of Research at the Start |
雌雄差を含む「性的二型」は種内の多様性の象徴であり、主に進化学の研究分野で研究がすすめられてきた。一方、多様な種からなる「生物群集」は生態学で、「性的二型」とは独立の生物多様性に関する重要課題とされてきた。申請者は研究を進める中、性的二型と生物群集が密接に繋がっていることを示してきた。その中で、多数の研究結果が「性的二型と群集の繋りが環境依存的」であることを示唆していることに気がついた。しかし、実際に「環境」がどのような影響を与えるのかは解明されていない。そこで、ヒサカキ属、中でもハマヒサカキを材料に花の雌雄差と、昆虫や微生物群集との繋がりに、環境が与える影響を解き明かす。
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Outline of Annual Research Achievements |
花蜜には、訪花昆虫などにより持ち込まれ、蜜内で増殖した菌類や細菌類が棲んでいる。これまでハマヒサカキ Eurya emarginata の花蜜内微生物の研究を行う中、和歌山県の十数kmほどの距離にある2つの調査地で花蜜内微生物群集が異なっていることが示されている(Ecology 2018)。この二箇所では下層植生が異なり、同時に開花している植物群集が違う事によりこの差異が生まれていると予想した。 そこで、本年度は、これら調査地の一箇所において、ハマヒサカキと、下層植生のなかで花数が最も多く観察されたツワブキの訪花昆虫と花蜜内微生物の調査を行った。訪花昆虫の調査では先行研究同様、オオハナアブやキゴシハナアブ、ツマグロキンバエなどハマヒサカキとツワブキ双方に共通して訪れている昆虫がいる一方、アサギマダラなどツワブキのみで訪花が観察される昆虫がいることが分かってきた。また、微生物に関しては、現在解析をすすめている途中ではあるが、先行研究同様、ハマヒサカキからは、花蜜内細菌Acinetobacter boissieriやA. apis, A. nectarisなどが検出され、また、雌雄の花でAcinetobacter属各種の出現頻度が異なっているという結果が得られた。菌類についてはハマヒサカキとツワブキ双方からMetschnikowia属酵母が検出されたが、ツワブキで検出された頻度は低かった。一方、ツワブキではハマヒサカキでは今のところ検出されていないCutaneotrichosporon属酵母も検出された。これらのことから、微生物はある程度ハマヒサカキとツワブキで行き来しているが、単純にハマヒサカキとツワブキで共通した微生物群集が形成されているのではなく、花形質の違いや、訪花昆虫の違いなどに伴い、両種では異なる花蜜内微生物群集が形成されていることが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、ハマヒサカキと下層植生の訪花昆虫や花蜜内微生物の調査を行い、同時期に開花する花間での送粉者の共有や、微生物種の差異などを明らかにした。解析途中ではあるものの、本年度の調査により、単純にハマヒサカキの花蜜内微生物が下層植生から持ち込まれ、下層植生の違いを直接反映している訳では無い可能性がでてきた。本年度の結果に基づき、室内 実験や、野外実験で行う研究計画に多少の変更は加える予定ではあるが、研究の方向性に変化はなく、現在の実験遂行状況および、その成果により、おおむね順調 に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査を引き続き行うと同時に、得られた実験・測定結果をもとに、さらなる解析を行うことで考察を深める。また、本年度、新たなハマヒサカキの調査地候補として選定した複数地点においても、下草を始めとした周辺環境、訪花性昆虫、花蜜内微生物の調査を行う予定である。
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