Project/Area Number |
23K27250
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Project/Area Number (Other) |
23H02559 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉川 徹朗 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (00646127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 恵介 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (00213348)
松井 晋 東海大学, 生物学部, 准教授 (20727292)
森 直樹 京都大学, 農学研究科, 教授 (30293913)
齋藤 武馬 公益財団法人山階鳥類研究所, その他部局等, 研究員 (40521761)
森 哲 京都大学, 理学研究科, 教授 (80271005)
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (90290866)
富田 恭子 (岩見恭子) 公益財団法人山階鳥類研究所, その他部局等, 研究員 (90446576)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 化学防御 / 生物間相互作用 / 食物網 / 博物館標本 / 捕食回避 / 捕食被食関係 / 相互作用 / 鳥類捕獲 / 化学分析 |
Outline of Research at the Start |
捕食者が忌避する物質を用いることで身を護る化学防御は、昆虫などの無脊椎動物で広く知られているが、脊椎動物におけるその実態については、いまだ知見に乏しい。これまで見過ごされてきた鳥類における化学防御の実態を探るため、日本各地のフィールドにおける捕獲調査と博物館における標本調査を行い、複数種の体組織のサンプリングを進め、LC/MS/MSなどの化学分析手法により成分を検出・定量する。特に化学防御のあり方に地理的あるいは季節的な違いがある可能性に着目し、日本列島およびその近隣のさまざまな場所で、さまざまな季節に得られた鳥類組織の分析を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、さまざまな日本産鳥類について体組織サンプルの収集を進めた。南西諸島などの島嶼部を含めた日本列島各地において、化学防御を行なっている可能性のある候補種を野外で捕獲し、それらの種の体組織や糞のサンプリングを進めた。また日本各地の博物館における各種の仮剥製標本や冷凍遺体の収蔵状況の把握を進め、これらの博物館収蔵サンプルの一部について体組織等のサンプリングを行った。冷凍遺体については解剖を行ない、皮膚や筋肉、内臓などの各部位の組織、および消化管内容物のサンプルを取得した。次に、鳥類の生活史と化学防御のあり方の関連性を探索するために、これらの候補種の野外生態のモニタリングを開始した。来年度以降は自動撮影による生態モニタリングを進める予定であるため、その技術についての検討を進め、撮影装置の機材や使用条件を決定することができた。化学分析については、液体クロマトグラフタンデム質量分析装置(LC/MS/MS)等による化学物質の検出と定量について検討を進めた。試行錯誤の結果、いくつかの候補物質の抽出・定量条件について進展があった。また今後、調査対象を日本産鳥類だけでなく、日本周辺の東アジアに生息する種に拡大していくことを見据え、調査体制の構築を進めた。今年度は八重山諸島および台湾の調査地を視察し、これらの地域での鳥類相を把握し、具体的な調査地を設定することができた。台湾では複数の現地研究者と面会し、今後の共同研究について相談を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鳥類種の体組織のサンプルの収集に関しては、野外捕獲および博物館標本の双方についてほぼ順調に進めている。ただし一部の調査地の鳥類については野外捕獲の効率が著しく低いため、方策が必要である。仮剥製などの博物館標本のサンプルの入手はおおよそ完了し、今後は希少な冷凍遺体の探索・サンプリングを進めていく。来年度以降、自動撮影による生態モニタリングを進める予定であるため、その技術についての検討を進め、撮影装置の機材や使用条件を決定することができた。化学分析については、いくつかの候補物質について定性・定量化の条件を把握することができ、検出および定量分析を進める基盤が確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
鳥類種の体組織のサンプルの収集に関しては、野外捕獲および博物館標本の双方について従来の計画通り進めていく。野外捕獲が難しいケースについては、音声プレイバックやデコイを利用した誘引技術によって捕獲効率をあげる方策を検討している。さらに今年度確立した自動撮影による生態モニタリング技術を用いて、鳥類の生活史と化学防御との関連について解明を進める。特に繁殖期における生態と寄生者などとの相互作用に注目してモニタリングを行う。なお台湾におけるサンプリングに関しては、今年度の現地調査の結果、野外での鳥類捕獲に困難が予想された。そのため台湾では現地研究者との共同研究体制の確立を進めながら、博物館標本のサンプリング、およびモニタリングにより候補種の生態解明を優先して進める。化学分析については、これまで確定できた分析条件に従って、予定通り進める。
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