Project/Area Number |
23K27269
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Project/Area Number (Other) |
23H02578 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹居 光太郎 横浜市立大学, 医学研究科, 特任教授 (40202163)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | LOTUS / アルツハイマー病 / 認知症 / 過剰発現 / 遺伝子治療 |
Outline of Research at the Start |
本研究は今迄にない老齢性健忘症と認知症の予防戦略およびアルツハイマー病型認知症の治療戦略を創成することを目的とする。神経再生促進因子LOTUSの発現低下と記憶障害の因果関係が示唆されている。また、LOTUSはアルツハイマー病型認知症の病因因子であるアミロイドβタンパク質(Aβ)の受容体として近年同定されたPirBと相互作用し、そのAβ受容体機能を抑制する。そこで、LOTUSによるAβ作用の抑制機序を詳しく解析し、アルツハイマー病モデル動物におけるLOTUSの過剰発現の方法と効果を検討し、LOTUSを用いたAβ作用による認知機能低下に対する予防・治療法を見いだして革新的な新規治療戦略を創成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
LOTUSの遺伝的過剰発現によってADモデルマウスの記憶障害を改善できるかについて研究を行う。アルツハイマー病(AD)の優れた病態モデル動物としてアミロイドβ(Aβ)タンパク質の前駆物質であるβ-amyloid precursor protein(APP)の家族性変異ノックインマウス(変異APP-KIマウス:理研脳神経科学研究センターの西道博士より供給されたコロニーを施設内で維持)を用い、LOTUSのAβ拮抗作用の効果を解析する。12-18ヶ月齢の変異APP-KIマウスは記憶障害が生じていることが分かっているので(Saito et al., 2014; Nagata et al., 2018)、最初に12ヶ月齢のADモデルマウスにおけるLOTUSとAβの海馬における発現量についてウエスタンブロティング法で調査したところ、LOTUSはAPP-KIマウスの海馬において発現減少が認められたのに対し、Aβは予想に反して野生型マウスとAPP-KIマウスでは発現変化は認められなかった。。次に、LOTUS過剰発現マウスと変異APP-KIマウスの交配実験を行い、LOTUSを過剰発現するADモデルマウスを作成した。この交配マウスが12ヶ月齢になった段階で、ADモデルマウスが示す記憶障害をLOTUSの過剰発現によって改善されるかについて、認知機能に関する新規物体認知機能試験で解析したところ、APP-KIマウスが示す記憶機能低下をAPP-KI/LOTUS-Tgマウス(LOTUSを過剰発現するADモデルマウス)は完全にレスキューしていた。このことは、APP変異によるAβの異常蓄積による認知機能(記憶機能)低下をLOTUSの過剰発現によって改善することを明確に示す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和6年度内での遂行を予定していた実験研究の50%以上を既に終えることができた。最終年度(令和7年度)に予定していた外来性遺伝子導入法による行動実験は本年度内に開始して解析することを予定しており、当初の予定より早い研究進捗である。しかし、外来性遺伝子導入法による解析は困難が予想されて多くの時間を要するため、研究全体としては順調な経過を辿っていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
PP-KIマウスが示す記憶機能低下をAPP-KI/LOTUS-Tgマウス(LOTUSを過剰発現するADモデルマウス)は完全にレスキューしていたことから、APP変異によるAβの異常蓄積による認知機能(記憶機能)低下をLOTUSの過剰発現によって改善することを明確に示すことができた。この実験データを基に、今後は、行動実験後に摘出した脳のゴルジ法による樹状突起の可視化によって海馬錐体細胞のシナプス密度について解析して個体レベルにおけるLOTUSのAβ拮抗作用を検証する。次に人為的に外来性LOTUSを遺伝子導入することでAPP-KIマウスが示す記憶障害をレスキューすることができるかどうかを検討する。
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