Project/Area Number |
23K27309
|
Project/Area Number (Other) |
23H02618 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
|
Research Institution | Osaka University (2024) The University of Tokyo (2023) |
Principal Investigator |
上田 卓見 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (20451859)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
|
Keywords | NMR / 膜タンパク質 / GPCR / オピオイド受容体 |
Outline of Research at the Start |
GPCRは神経伝達物質やホルモン等の受容体として機能しており、現在市販されている医薬品の30%以上はGPCRを標的としています。この研究では、GPCRにGタンパク質等の活性を変化させる分子の結合により、GPCRと薬物の親和性が変化するメカニズムを、生理的環境に対応する溶液状態におけるタンパク質の動的な構造の情報が得られるNMR法を用いて解明します。本研究により、細胞内にGタンパク質が存在する生理的条件下のGPCRに高い親和性で作用できる薬物の開発が加速することが期待されます。
|
Outline of Annual Research Achievements |
MORの細胞内側に作用するナノボディNb39およびGαサブユニット改変体であるminiGを調製した上で、両蛋白質のリジン残基をAlexa蛍光標識して、mオピオイド受容体(MOR)と混合してゲルろ過カラムにアプライするFSEC解析を行った。その結果、MORの溶出体積に520 nmの蛍光の蛍光が観測されたことから、調製したNb39、miniG、およびMORが複合体を形成していることが示された。そこで次に、メチオニン選択標識MORの1H-13C HMQCスペクトルを、MOR-DAMGO(完全作動薬)-Nb39およびMOR-DAMGO-miniGの三者複合体が形成される条件で観測した。その結果、MOR-DAMGO二者複合体とはシグナルの化学シフトおよび強度が顕著に異なるスペクトルが観測された。TM5に位置するM245のシグナルは、mini結合状態ではNb39結合状態と比べて1H高磁場シフトしていた。 Nb39およびGタンパク質が結合したMORの結晶構造および極低温電子顕微鏡構造を比較すると、MORのTM5に位置するM245は、Gタンパク質結合状態では、Nb39結合状態とくらべて、TM5中央のkinkを起点に細胞内側が、GPCR中央に位置するTM3に近づいており、これと対応して、Gタンパク質結合状態ではM245とF241の側鎖の位置がNb39結合状態よりも近づいている。以上より、M245の1H化学シフトは、TM5の細胞内側の構造をよく反映すると結論した。 Gタンパク質をより強く活性化するoliceridineが結合した状態では、M245のNMRシグナルは1H高磁場シフトしていた。以上より、Gタンパク質バイアス状態では、Gタンパク質結合状態と類似した、TM5がGPCR中央に近寄った構造が増加していると考えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初目標では、Gタンパク質もしくはGタンパク質改変体 (mini-Gi, nanobody) が過剰量存在する状態において、MORのNMRスペクトルを取得すること目指していた。 これと対応するように、本年度は、Nb39およびminiGを調製して、FSECで複合体形成を確認した上で三者複合体における1H-13C HMQCスペクトルを取得して、M245の1H化学シフトがTM5の細胞内側の構造をよく反映することを示しこれにより、Gタンパク質バイアス状態では、Gタンパク質結合状態と類似した、TM5がGPCR中央に近寄った構造が増加するという新規の知見を得た。したがって、おおむね順調に進展していると考えてた。
|
Strategy for Future Research Activity |
MORのリガンド結合部位近傍の動的構造の解析:リガンド結合部位近傍に位置する複数の残基にメチオニン残基を変異導入して、作動薬および遮断薬 (naloxone) 結合状態のメチオニン残基選択標識MORの1H-13C HMQCスペクトルを取得して、導入したメチオニン残基のNMRシグナルを観測する。作動薬および逆作動薬が結合した状態において、ALM および Gタンパク質の存在によりこれらのシグナルがどのように変化するかを調べる。
|