Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
キナーゼシグナルが適切に活性化される機構を理解するためには、キナーゼのリン酸化および脱リン酸化による活性制御を包括的に解析することが不可欠である。本研究では、申請者らが見出してきた、ストレス応答MAPK p38のキナーゼ活性制御を担う構造平衡が、上流キナーゼおよびホスファターゼによるp38の活性化・不活性化の効率を制御する可能性を検証する。特に、ストレス下における細胞内pHの弱酸性化に伴い、p38の構造平衡がシグナル伝達を強化する方向に傾くことで、合目的的にキナーゼシグナルを活性化する機構を提唱する。本研究を通じて、タンパク質の動的構造を軸に細胞内情報伝達を理解する新たなアプローチを創造する。