Project/Area Number |
23K27322
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Project/Area Number (Other) |
23H02631 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西野 邦彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30432438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 厚志 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20908686)
西野 美都子 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30510440)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 異物排出 / 薬剤耐性 / 細菌 / 複合体形成 / 阻害 / RND / 制御 / 複合体 |
Outline of Research at the Start |
細菌のマルチコンポーネントタイプ異物排出システムは、内膜に存在するポンプ、膜間に存在するペリプラズムタンパク質、外膜に存在するチャネル様タンパク質が効率良く連携して、膜を貫く形で複合体を形成し、異物・薬物の排出を行い、薬剤耐性化の原因にもなっている。本研究では異物排出複合体形成機構を明らかにし、異物排除を担う複合体の的確な作動に必要な構造基盤を解明し、異物排除を阻害することによって恒常性を破綻させる人工的制御技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物の最も基本的な構成単位である細胞の生存を維持するための機構として、成育に不利となる異物を排除するシステムが存在している。グラム陰性細菌は、様々な環境で生存するために、細胞質内、細胞膜内、そして外膜・内膜間(ペリプラズム)から異物を排出して、細胞内への異物蓄積を防ぐ必要がある。マルチコンポーネントタイプ異物排出システムは、内膜に存在するポンプ、膜間に存在するペリプラズムタンパク質、外膜に存在するチャネル様タンパク質が効率良く連携して、膜を貫く形で複合体を形成し、異物・薬物の排出を行い、薬剤耐性化の原因にもなっている。本研究ではこれら異物排出系がどのような条件で何によって制御を受けているのかについてその機構を明らかにするとともに、複合体形成や阻害機構を解明し、異物排除を阻害することによって恒常性を破綻させる人工的制御技術を開発する。 今年度は、腸内細菌が生育する環境に存在する胆汁が異物排出系におよぼす影響について調べた。異物排出系は、胆汁を認識して、細菌外に排出することで、細菌生育に関与しており、サルモネラにおいて、胆汁酸各構成成分による異物排出系制御にRamR・RamA因子の影響を明らかにした上で、本菌の腸管細胞侵入への効果についても解析を行った。その結果、主要な一次胆汁酸塩であるケノデオキシコール酸塩およびその共役誘導体であるコール酸塩、デオキシコール酸塩は、RamR依存的にramAの転写を活性化し、異物排出系の発現が変化するのに加えて、TTSS-1遺伝子のマスターアクチベーターが抑制され、その結果、細胞侵入性が抑制されることが示された。一方、コール酸塩は、ramRAとは独立して細胞侵入を抑制することも示された。また、緑膿菌株を用いた異物排出系発現の解析も行い、成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸内細菌が生育する環境に存在する胆汁が異物排出系におよぼす影響について調べるとともに、Caco-2腸管上皮細胞およびサルモネラを用いて、胆汁によるサルモネラの侵入抑制におけるramRA異物排出制御系遺伝子の影響が明らかになるとともに、緑膿菌株を用いた異物排出系発現の解析も行い、成果を発表することができた。国際共著論文も発表し、計画は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに行っている、成育環境に存在する物質が細菌の異物排出系に与える影響に加えて、高解像度で生理的に意味のある異物排出体の構造を明らかにするために、X線およびクライオ電子顕微鏡を用いた異物排出システムの構造解析も進めたいと考えている。我々の強みとしては、一般に入手が困難である排出阻害剤を持っている点にあり、排出される基質の代わりに、ポンプに強く結合する阻害剤を用いることにより、安定的な構造を得ることができると考えている。排出タンパク質結晶作成、クライオ電子顕微鏡による解析と並行して、阻害剤が異物排出複合体に与える影響について解析を行う。
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