Project/Area Number |
23K27328
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Project/Area Number (Other) |
23H02637 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
萬谷 博 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (20321870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 治夫 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40292726)
加藤 龍一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (50240833)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 糖鎖 / 筋疾患 / 神経疾患 / O-マンノース型糖鎖 / 糖転移酵素 |
Outline of Research at the Start |
近年、哺乳類のO-マンノース型糖鎖の多様な構造が示されてきたが、個々の糖鎖構造の機能や合成機構はあまり分かっていない。本研究では、O-マンノース型糖鎖の多様な構造を形成するメカニズム、O-マンノース型糖鎖修飾がタンパク質の機能や代謝に及ぼす影響について解析し、哺乳類のO-マンノース型糖鎖修飾の実態解明を目指す。個々の糖鎖構造の機能解明は、多様な糖鎖による細胞や組織における複雑な制御機構の理解へと繋がり、先天性筋ジストロフィー症の病態解明への貢献も期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、哺乳類のO-マンノース型糖鎖の多様性が示されてきたが、個々の糖鎖構造の機能や合成機構は完全には解明されていない。本研究では、O-マンノース型糖鎖の多様な構造を形成するメカニズムおよび生理機能について解析し、O-マンノース型糖鎖修飾の実態解明を目指す。構造中にリビトールリン酸(RboP)をもつコアM3 タイプのO-マンノース型糖鎖の合成不全は中枢神経障害を伴う先天性筋ジストロフィー症の原因となる。RboP修飾の前駆体CDP-RboはRboPとCTPから合成されるが原料のRboPの産生経路は不明である。細菌類にはタイコ酸というRboPポリマーが存在し、その原料となるRboPは還元酵素TarJによりリブロースリン酸から産生されるが、哺乳類にはTarJのオーソログが存在しない。そこで、糖の還元に関わるAldo-keto reductase (AKR) family酵素に着目した。RboP産生に関わるHEK293T細胞の内在性の糖還元活性はAKR1B1が最も高く、リボースに対する活性が強かったことから、リボースがAKR1B1によりリビトールに還元されその後リン酸化されてRboPになる主に寄与することが明らかとなった。Human Protein AtrasによるとAKR1B1は脳と骨格筋で最も発現が高く、これらの組織ではマトリグリカンが特異的に発現し重要な機能を担っていることから、AKR1B1がCDP-Rboの産生の主要酵素であることが示唆された。マウス臓器の解析から脳と骨格筋ではCDP-Rboの存在比が高い結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造解析を目的とした各酵素(POMT1/2, FKTN, TMEM5)の大量発現系を確立した。X線結晶構造解析もクライオ電子顕微鏡も標的タンパク質の量が必要であるため、大量発現系を確立することは本課題の進捗に重要である。CDP-Rboの前駆体となるRboPの産生経路とそれに関連する酵素機能を明らかにした。LC-MSを利用して細胞や組織のRboPおよびCDP-Rboを定量測定する方法を開発した。糖鎖合成の前駆体の代謝経路や関連分子の定量法は、今後生合成機構や合成制御機構を解析する上で重要な知見・技術である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き以下の計画を進める。 (1)O-マンノース型糖鎖合成関連酵素の構造・機能解析:O-マンノース型糖鎖修飾酵素FKTN、 TMEM5大量発現・精製法を構築したことから、結晶化条件を検討する。(2)O-Man型糖鎖修飾の制御機構:O-マンノース型糖鎖の短縮はガンの悪性化や網膜色素変性症など多様な疾患に関連する。そこで、糖供与体(CDP-Gro, CDP-Rbo, PAPSなど)の添加や関連酵素の発現調節により細胞レベルでGroP化や硫酸化の量を変化させ、糖鎖修飾や細胞機能への影響を調べる。(3)O-マンノース型糖鎖修飾タンパク質の探索: POMGNT1のO-マンノース型糖鎖結合能を利用した組織染色および免疫沈降法を行う(4)POMT1/2の基質特異性の解析: クライオ電顕に向けてバキュロウイルスを利用したPOMT1/2大量発現系を構築する。生化学的に各酵素の基質特異性や酵素反応の至適条件を詳細に解析する。(5)TMTC1/2/3/4, TMEM260によるO-Man転移活性の確認:TMTC1/2/3/4およびTMEM260のO-マンノース転移活性を検証する。(6)タンパク質O-マンノシル化の小胞体品質管理機構(ERQC)における機能解析: ERストレス誘導による細胞内O-マンノシル化の変化を解析する。また、POMT1/2欠損とERストレスの影響を比較解析する。
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