Project/Area Number |
23K27349
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Project/Area Number (Other) |
23H02658 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 祐季 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10754955)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | ミクログリア / 大脳 / 脳発生 / 多様性 / 神経 / 胎児 / マクロファージ / 脳境界 / ライブイメージング / 発生 / 脳 |
Outline of Research at the Start |
脳発生過程におけるミクログリアの細胞動態および脳定着・テリトリー形成プロセスの理解を通じて、ミクログリアが性質多様性を獲得するメカニズムを明らかにする。さらに、その性質多様性と神経系・血管系細胞に対する機能的役割との連関を解明する。また、胎仔脳スライスおよびin vivoライブ観察技術、また本計画で確立を目指すin vivo細胞標識・追跡システム、および、細胞・組織単離や培養技術を通じて、ミクログリア多様性と異種細胞との相互間ダイナミクスを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳内の免疫細胞であるミクログリアは、マウスにおいて胎生9日目(E9)から脳に定着を開始し、その後数を増やして脳全体に分布する。また、ミクログリアは発生の進行に伴い大脳原基内の分布を変化させることがわかっている。本研究課題では、ミクログリアの胎齢・発生の進行に伴う大脳原基内での局在変化のメカニズム、および、その生理学的意義について明らかにすることを目標とする。 これまでの国内外および研究代表者らの研究から、胎生中期(E14からE15)においてミクログリアは脳室下帯や脳室帯に多く分布し、その場で神経幹細胞から中間型前駆細胞への分化促進や、前駆細胞の数の調節を行い、その機能はミクログリアの広範囲にわたるパトロール機構によって効率的に果たされることを明らかにしてきた。一方、E15からE16においては、ミクログリアは皮質板(成熟したニューロンが集積する領域)から一時的に不在となるが、この「不在」となるプロセスはその場に存在するニューロンの成熟ステップが適切に進行するために必要であることが分かっている。興味深いことに、E17以降にミクログリアは皮質板内に再度現れ、さらに、皮質板内においても発生進行に伴う分布の偏りが存在する。今年度は、胎生後期(E17以降)から生後にかけてのミクログリアの分布変遷、および、皮質板内で分布の偏りが生じるメカニズムとその意義の解明を目指し、研究計画を遂行した。 同時に、これまでの脳スライス培養下でのライブイメージングの解析から、ミクログリアは細胞同士が瞬間的に接触し、互いを感知したのちに離れ、一定の密度を保ちながら脳実質に分布する機能が備わっていることが見えてきた。このようなミクログリアのテリトリー形成機構、すなわち、短時間接触したのちに分散する機構と定着領域の決定のメカニズムについても調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画に沿って研究は順調に進んでおり、この一年で大脳原基内のミクログリアの細胞動態、領域ごとにおける性質・形態・動きの特徴、胎齢の進行に伴う分布変化のメカニズムについて理解を深めることができた。 国内外の研究者との共同研究を通じて、本計画に必要な様々な解析ツール、技術的支援、そして遺伝子改変マウスの提供を受けることにより、解析をスムーズに進めることができた。 また、胎生後期から生後にかけてのミクログリア分布変化に関与する細胞外環境や組織構築、またそれらとミクログリア間の相互作用にはたらく候補分子についてもいくつか絞ることができた。 候補分子の関与の可能性について、本年度は、子宮内電気穿孔法による遺伝子発現操作技術による過剰発現やノックダウンを中心に解析を行ったので、次年度は様々な遺伝子改変マウスを用い、より詳細な解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)胎生後期から生後にかけてのミクログリア分布変化 胎生後期(E17以降)から生後にかけてのミクログリアの分布変遷、および、皮質板内で分布の偏りをきたすメカニズムを解明するため、関与している可能性のある分子としてこれまでに同定したいくつかの候補分子について、各種阻害剤や遺伝子改変マウスを用いた解析を通じて分子同定および貢献度の評価を進めていく。またミクログリアには領域特有の性質を保有していることが見えてきており、その領域に侵入するタイミングや、ミクログリアの由来(どのような分布経路をたどってその場に定着するのか)にも注目しながら、周囲のニューロンにおけるニューロン間シナプス形成、神経回路構築にどのように関与するのか検証を行う。 2)ミクログリアのパトロール機構とテリトリー形成 ミクログリアが短時間の間に互いに接触して離れる分散機構、および、定着する領域の指向性について、そのメカニズムと生理学的意義について調査する。脳スライス培養や胎児脳in vivoイメージング技術を用いたライブイメージングにより、脳の各領域、各層におけるミクログリアの様々な動態・形態の特徴について網羅的に調査する。そして、細胞周囲の環境がミクログリアの細胞挙動にどのように作用するのか、可能性として考える仮説に沿って検証を進める。また、生理条件下におけるミクログリアの細胞挙動が、母体炎症時においてはどのような影響を受けるのか、様々な母体炎症モデルを用いて調査する。
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