Project/Area Number |
23K27351
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Project/Area Number (Other) |
23H02660 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
和栗 聡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30244908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 直輝 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70745992)
鈴木 倫毅 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80456649)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 液ー液相分離 / 蛍光寿命顕微鏡 / CLEM / p62 / SQSTM1 / 粘性 / 蛍光寿命 |
Outline of Research at the Start |
細胞質内では様々な分子が液‐液相分離によって液滴を形成し、各種反応の足場となる。p62小体は飢餓ストレス、酸化ストレス、高浸透圧ストレスなどで形成される細胞質液滴だが、最近になってオートファジーおよび抗酸化ストレス反応の発動拠点として機能することが判明した。しかし、流動性の高い液滴が隔離膜に捕捉される機構やより硬い凝集体に変化するメカニズムは不明である。本研究ではp62小体の「粘性」に注目し、これを測定・可視化することで、この物理学的性質がどのように隔離膜形成、およびゲルや凝集体への変化に寄与するのかを明らかにする。そして癌、神経性疾患、自己炎症性疾患における新たな治療標的機構を提唱する.
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Outline of Annual Research Achievements |
p62液滴の微小粘性測定技術を確立する目的で、粘性プローブを付加したp62タンパク質を細胞に発現させ、高浸透圧ストレス負荷による粘性の変化を蛍光寿命顕微鏡で測定した。まずこのプローブをHaloタンパク質に付加して細胞質に発現させたところ、培地の高浸透圧度に応じて蛍光寿命が延長する(粘性が増す)ことを確認した。次にp62にHaloタンパク質を付加したものを発現させて調べたところ、高浸透圧ストレス下(0.2~0.4Mショ糖)で形成されたp62液滴では、逆に蛍光寿命が短縮した(粘性が低い)。また、この時形成されるp62液滴をCLEM法で調べたところ、p62フィラメントからなる均質な構造で、その辺縁にはしばしば電子密度の高い隔離膜を伴っていた。このことは、液-液相分離で生じるp62液滴内ではp62タンパク質周囲の微小粘性が低いことを示す。しかし、この結果はp62タンパク質内のプローブ位置によるアーティファクトの可能性も否定できない。次年度は、別の液滴として知られるストレス顆粒に局在するG3BP1、およびp62液滴の成分であるKEAP1などのクライアントタンパク質に粘性プローブを付加して実験を行う予定である。 液滴から凝集体への変化を検出し得るタンパク質の探索を目的として、比較的強い高浸透圧ストレス(0.8 Mショ糖添加)下で特異的に不溶性画分に集積する分子を質量分析計により解析し、候補分子リストを得た。現在、それら候補分子の局在や発現解析実験を行っている。 ATG9A欠損細胞で認められるSTING陽性顆粒はp62陽性であり、この顆粒をCLEM法で解析したところ、STING小胞の集合体であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粘性プローブの有効性を確認した上で、実際にp62液滴の微小粘性の測定技術とCLEM法を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)粘性プローブをp62以外のタンパク質に応用する。具体的には、別の液滴として知られるストレス顆粒に局在するG3BP1、およびp62液滴に関してはその成分であるKEAP1などのクライアントタンパク質にプローブを付加して微小粘性の測定を行う。 2)p62液滴の粘性と隔離膜、および他の液滴分子との関係について、遺伝子改変した培養細胞を用いて調べる。 3)質量分析で得られた、比較的強い高浸透圧ストレス(0.8 Mショ糖添加)下で特異的に不溶性画分に集積する候補分子の解析を引き続き行う。
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