Project/Area Number |
23K27360
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Project/Area Number (Other) |
23H02669 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48030:Pharmacology-related
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Research Institution | Fujita Health University (2024) Nagoya University (2023) |
Principal Investigator |
山田 清文 藤田医科大学, 精神・神経病態解明センター, 客員教授 (30303639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70402568)
松崎 哲郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80866450)
永井 拓 藤田医科大学, 精神・神経病態解明センター, 教授 (10377426)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | 統合失調症 / リーリン / twinfilin-1 / 神経スパイン / 認知機能 |
Outline of Research at the Start |
SCZ はアンメット・メディカルニーズの高い疾患であり、新しい作用機序を有する治療薬の開発は喫緊の課題である。我々は、SCZのリーリン補充療法を提唱し、その病態生理学的妥当性を示すことを最終目標として、RELN遺伝子変異モデルマウスの脳内リン酸化タンパク質を網羅的に解析し、p-TWF1がモデルマウス脳で減少していることを見出した。さらに、TWF1のリン酸化部位(Y309) とリン酸化に関与する候補酵素(非受容体型チロシンキナーゼ (Src/Fyn)も同定した。本研究では、脳神経系の形態と機能制御におけるTWF1リン酸化の役割を追究し、リーリン補充療法の病態生理学的妥当性を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. HEK293細胞にTWF1(WT)/ TWF1(Y309F)およびc-Srcを共発現させ、アクチン動態の変化とTWF1結合タンパク質との相互作用を解析した。その結果、アクチンおよびキャッピングプロテインへの結合はTWF1(WT)に比較してTWF1(Y309F)で有意に減少し、F/Gアクチン比はTWF1(Y309F)発現細胞で有意に低下した。以上より、TWF1リン酸化はその機能発現に重要であることが示唆された。 2. TWF1(Y309F)マウスとWTマウスの脳層構造ならびに神経スパインの形態を比較解析した結果、大脳皮質や海馬の層構造に変化は認められなかった。一方、スパイン構造を解析した結果、mushroom型およびstubby型スパイン密度はTWF1(Y309F)マウスで有意に減少していた。 3. タッチパネル式視覚弁別学習課題を用いて学習機能を調べた結果、野生型マウスに比較してTWF1(Y309F)マウスでは学習能の有意な低下が認められた。 4. RELN-delモデルマウスの大脳皮質神経において単一神経細胞表面上のVGluT2 /VGAT比によるE/Iバランスを解析した結果、興奮性神経細胞および抑制性PV陽性神経細胞の数はそれぞれ減少しているものの、両細胞群におけるE/Iバランスに有意な変化は認められなかった。その他、RELN-delモデルマウスへのリーリン補充療法を実施するため、リーリン変異体の発現するAAVベクターを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に計画した4つの実験のうち、1-3の実験は予定通りに完了した。特に実験1ではリン酸化によりTWF1の機能が調節され、リン酸化TWF1が活性化型であることを証明した。その結果、TWF1(Y309F)変異体発現細胞ではF/Gアクチン比が低下した。実験2-3では、TWF1リン酸化をブロックしたTWF1(Y309F)マウスにおいて、アクチン重合が重要な役割を果たしている成熟型神経スパイン密度が減少しており、視角弁別学習機能が低下していることを証明できた。実験4では、TWF1(Y309F)マウスの脳機能をE/Iバランスから解析し、興奮性および抑制性神経細胞数はそれぞれ減少しているものの、E/Iバランスでは変化を検出できなかった。RELN-delモデルマウスへのリーリン補充療法に関して、予定していたレスキュー実験は完遂できなかったが、補充療法を実施するためのリーリン発現ベクターを構築した。 以上より、進捗状況はおおむね順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 初年度に予定していたレスキュー実験(実験4)を完了する。 2. 令和6年度に予定している以下の実験を行う。 ・TWF1(Y309F)マウスの脳機能解析としての系統的行動薬理試験 ・リーリンおよびBDNF/グルタミン酸刺激によるTWF1のリン酸化解析 ・培養細胞あるいはin vivoにおけるTWF1(WT)とTWF1(Y309F)の神経細胞内局在の変化
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