Project/Area Number |
23K27379
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Project/Area Number (Other) |
23H02688 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
網代 将彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (60761864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大地 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(副センター長・部長クラス) (80735746)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | RNAスプライシング / がん免疫 / TCR-T / ネオ抗原 / スプライシング異常 / SF3B1 / SRSF2 |
Outline of Research at the Start |
癌抗原に対する獲得免疫機構を利用した癌免疫療法は現在、第四の癌治療法として確立している。近年ではT細胞移植療法により特定の癌抗原に対するTCRを導入したエフェクターT細胞の移植などの技術研究が盛んである。一方、癌細胞表面で特異的に提示される抗原であるネオ抗原は主にパッセンジャー変異に起因しており患者間の共通性が乏しく、ネオ抗原に対応したTCRを予め同定して治療応用するなどの応用は困難である。本研究では、申請者が同定した新しいネオ抗原ののクラスであるスプライス・ネオ抗原に着目することで、一定の患者集団で共通して発現する共通ネオ抗原の同定とTCR-T他家移植技術を利用した治療技術の研究に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度はスプライシング因子SF3B1の複数のホットスポット変異を対象として細胞モデルの樹立を行うとともに、RNAシークエンス解析からスプライシングバリアントの網羅的解析を実施した。細胞モデルの樹立は、SF3B1のホットスポット変異が最も高頻度ながん種である白血病細胞の他、複数の固形がん細胞を用いて異所性発現またはゲノム編集により行った。RNAシークエンス情報の解析では既知転写産物データベースに含まれない多数の異常なスプライシング産物がSF3B1変異細胞群で認められた。さらにそれら異常なスプライシング産物の配列情報をもとに翻訳配列の解析を実施し、主要なHLA型であるHLA-A*01:01, 02:01等による提示が予測される複数の抗原候補配列の抽出を行った。また、抗原性評価に向けてヒトHLAをマウスMHC-Iにキメラで導入したトランスジェニックマウスを導入し、初期評価までを実施した。さらに、スプライシング異常解析の過程でGRCh38レファレンス情報にマッチしない新規の転写産物も複数見出された。これらnon-cannonicalな転写産物群は、SF3B1変異に起因するスプライシング異常と同様に新規がん抗原の候補と考えられ、現在さらにその生成メカニズムや性状解析を進めている。上記成果の一部は、第83回日本癌学会学術総会、第24回日本RNA学会年会で発表した。 以上のことから、初年度の主な目標とした細胞モデルの確立と抗原の初期スクリーニングを終え、次年度の抗原性解析環境の構築までを予定通り完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実施にあたり初年度の目標としたスプライシング因子変異細胞モデルの確立とRNAシークエンス解析によるスプライシング異常の検出、そしてそこから検出される新規抗原性ペプチド配列のin silicoスクリーニングは予定通り完了した。また、次年度に向けた抗原性評価システムの導入も計画通り進めている。以上のことから、本研究計画は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に同定した新規スプライシング関連抗原、新規転写産物由来抗原について抗原性評価をHLA導入トランスジェニックマウスを用いて実施する。抗原性解析はELISpotアッセイを初期評価として用い、TCRシグナルの活性化を確認する。同アッセイにおいて特に高い抗原性が確認されたペプチドについては、ヒトPBMC、T細胞リソースの提供を受けて免疫応答をさらに検証する予定である。また、RNAシークエンス解析から新規に見出された転写産物についてもその生成メカニズムや抗原性等評価を実施する予定である。
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