Project/Area Number |
23K27403
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Project/Area Number (Other) |
23H02712 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
原 英樹 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30456892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 泰幸 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10532252)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | グラム陽性菌 / 脂質結合分子 / 炎症応答 / 重症化 |
Outline of Research at the Start |
世界的に病原細菌の薬剤耐性化が深刻化しており、治療困難な感染症が増加している。国内で検出される黄色ブドウ球菌や肺炎球菌などの半数以上がすでに薬剤耐性を獲得していることから、既存の抗菌薬に代わる治療方策の立案が危急の課題となっている。申請者が感染炎症応答を解析したところ、黄色ブドウ球菌やリステリアなどのグラム陽性病原菌がインフラマソームと呼ばれる特異的炎症応答を活性化して感染病態を重症化させていることを見出した。本研究では、グラム陽性病原菌が産生する脂質結合分子によるインフラマソーム亢進機構とインフラマソーム炎症が感染病態を重篤化させる分子機構を解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
微生物は特有のリガンドを発現しており、ヒトに感染すると異物認識受容体によって感知される。細胞内に発現する一部の受容体はインフラマソームとよばれる自然炎症を誘導することで、炎症性サイトカインの産生や炎症性細胞死を引き起こす。これまでの研究から、われわれはインフラマソーム応答がリステリアや黄色ブドウ球菌を含むグラム陽性菌の感染病態を悪化させることを突き止めた。多くのグラム陽性菌は脂質に結合するサイトリジンを産生することで膜傷害を引き起こすが、われわれはサイトリジンが膜傷害活性非依存的にリン酸化カスケードを活性化することでインフラマソーム応答を亢進していることを見出した。そこで本研究では、リステリアが産生するサイトリジンLLOを用いてインフラマソーム応答が増強される分子メカニズムを解析した。その結果、LLOが産生されることでインフラマソームのアダプター分子がリン酸化を受けていることを見出した。また、LLOが活性化するリン酸化酵素をスクリーニングしたところ、特定のチロシンキナーゼカスケードがインフラマソーム応答の亢進に重要であることが判明した。リステリアはAIM2やNLRP3、NLRP6を含む複数の細胞内受容体を刺激することでインフラマソームを活性化することから、今後、特定したチロシンキナーゼがどのインフラマソームを特異的に制御しているのか検討する。このチロシンキナーゼ特異的な阻害剤によりインフラマソーム応答を抑制すれば、炎症制御による感染症の治療が実現すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り実験が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのリステリアに関する研究成果を総説として発表した。初年度に得られた知見を次年度には論文にまとめれるように研究を進めていく。また、インフラマソーム応答により感染病態が重症化する分子メカニズムの解析にも着手する。
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