Project/Area Number |
23K27438
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Project/Area Number (Other) |
23H02747 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 豊 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00419897)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | 長鎖非翻訳RNA / DNA損傷 / 核酸医薬 / 非翻訳RNA / DNA複製ストレス / ドラッグデリバリー / がん |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、TUG1によるR-loop 解消機構を含めた細胞核内における役割についての詳細解明、および新しいタイプの核酸医薬の開発を目指すことである。今年度は、TUG1結合タンパク質の機能解析、ライブセルイメージングを用いたTUG1の動態解析、TUG1に対するペプチド付加核酸医薬プロトタイプの創薬を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
転写後タンパク質に翻訳されない長鎖非翻訳RNA (lncRNA)はヒトの細胞には数多く存在し、正常細胞からがん細胞まで様々な生物学的プロセスに関わっている。我々はがん細胞におけるlncRNAの網羅的解析を行い、lncRNA TUG1ががん細胞のゲノムインテグリティの維持に重要な働きをしていることを発見した。本研究ではTUG1の機能について明らかにすることで、lncRNA生物学の新たなパラダイム構築の一助とする。特に細胞核内でTUG1-タンパク質のダイナミックな相互作用の詳細について理解を深めるとともに、TUG1を標的とした新たな核酸医薬の基礎的開発を試みる。今年度はIn vitroでのTUG1結合タンパク質の解析を実施した。予備実験から腫瘍細胞でヒドロキシウレア(HU, 複製ストレス誘導剤)およびカンプトテシン(CPT, トポイソメラーゼ1阻害剤、R-loop形成誘導)処理後約0.5-2時間でTUG1の発現が上昇することを見出した。種々の腫瘍細胞でHU、CPT処理前後の細胞抽出液とビオチンタグ化した全長TUG1-RNAを反応させ、ビオチン化TUG1と結合するタンパク質を質量分析により解析した。さらにin vivoでのTUG1結合タンパク質の網羅的解析を行った。lncRNAと相互作用するタンパク質をin vitroで解析した場合、必ずしも細胞内での状態を反映しない場合があることが問題となる。そこで近年開発されたCARPID 法を用いて、TUG1の近傍に存在するタンパク質を網羅的に解析した。in vitro および in vivoのTUG1結合タンパク質の解析結果の整合性を検討し、予測される機能ごと(RNAヘリカーゼ、RNAスプライシング、転写調節、クロマチン構造等)にタンパク質を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転写後タンパク質に翻訳されない長鎖非翻訳RNA (lncRNA)はヒトの細胞には数多く存在し、正常細胞からがん細胞まで様々な生物学的プロセスに関わっている。我々はがん細胞におけるlncRNAの網羅的解析を行い、lncRNA TUG1ががん細胞のゲノムインテグリティの維持に重要な働きをしていることを発見した。しかしその詳細な機序、例えばTUG1がlncRNAとして介在する必然性や、どの遺伝子領域特異的にTUG1が機能するのか、どのタンパク質と相互作用がどの状況で機能に必要であるのか等について依然として不明な点が数多く残る。本研究ではTUG1の機能について明らかにすることで、lncRNA生物学の新たなパラダイム構築の一助とする。特に細胞核内でTUG1-タンパク質のダイナミックな相互作用の詳細について理解を深めた。今年度は特にin vitro および in vivoのTUG1結合タンパク質の解析結果の整合性を検討し、予測される機能ごと(RNAヘリカーゼ、RNAスプライシング、転写調節、クロマチン構造等)にタンパク質を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
TUG1結合タンパク質の機能解析を行う。同定したTUG1結合タンパク質をさらにRIP法およびCLIP法で相互作用についての検証を行う。TUG1との結合部位、互いのタンパク質間の相互作用、R-loopとの結合、複製ストレス誘導下での質的・量的変化については分生生物学的アプローチを用いて詳細に検証する。またライブセルイメージングを用いたTUG1の動態解析を行う。TUG1の細胞内動態やタンパク質との相互作用については、従来のRNA fluorescence in situ hybridization (RNA FISH)法や抗体による検出で実施することに加えて、ライブセルイメージング(生細胞イメージング)も実施する。既に内因性TUG1を生細胞で観察するために、BglG-EGFP(β-glucoside G protein - enhanced green fluorescent protein)システムを、CRISPRシステムを利用し構築した。内因性TUG1の観察のための条件検討を実施し、CPTやHUへの暴露後、TUG1がどのように細胞内に分布し、さらに消退(分解)していくのかその動態について解析を行う。また本システムを利用し、同定したタンパク質とTUG1の相互作用を動的に観察する。
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