Elucidation of molecular mechanisms underlying development of malignant tumors with loss-of-function mutations of UTX, a histone modifier, mainly focusing on urological tumors.
Project/Area Number |
23K27442
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Project/Area Number (Other) |
23H02751 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
本田 浩章 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40245064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 重郎 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (40190243)
世良 康如 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40836532)
本田 善一郎 お茶の水女子大学, 保健管理センター, 客員教授 (70238814)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | ヒストン修飾 / UTX, UTY / 泌尿器科系腫瘍 / 炎症性経路 / エピジェネティクス / ヒストン修飾因子 / UTX、UTY / 泌尿器科腫瘍 |
Outline of Research at the Start |
ヒストン修飾は遺伝子発現制御を介して組織恒常性に重要な役割を果たし、その逸脱は発がんに関与する。我々は悪性腫瘍で変異を認めるヒストン修飾因子UTXに注目し、変異頻度が最も高い膀胱がんを対象として膀胱特異的にUTXを欠失したマウスを作製し解析した結果、UTX欠失は炎症経路を活性化して発がんに関与すること、および炎症性因子の阻害により膀胱がん細胞の増殖を抑制出来ることを見出した。この申請では、UTX変異頻度が膀胱がんに次いで多い前立腺がんと腎臓がんを中心として、その他のUTX変異を有する固形がんのマウスモデルを作製し、UTX機能欠失による悪性腫瘍発症機構の包括的解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒストンメチル化は遺伝子発現制御を介して組織恒常性に重要な役割を果たし、その逸脱は発がんに関与する。我々は悪性腫瘍で変異を認めるヒストン修飾因子UTXに注目し、変異頻度が最も高い膀胱がんを対象として膀胱特異的Utx欠失マウスを作製し解析し、UTX欠失は炎症経路を活性化して発がんに関与すること、および炎症性因子の阻害により膀胱がん細胞の増殖を抑制出来ることを見出した。この申請では、UTX変異頻度が膀胱がんに次いで多い前立腺がんと腎臓がんを中心として、その他のUTX変異を有する固形がんのマウスモデルを作製し、UTX機能欠失による悪性腫瘍発症機構の包括的解明を目指す。また、炎症性因子阻害や他の活性化経路の阻害による抗腫瘍効果についても併せて検討する。 令和5年度は、前立腺がんモデルを中心に作製と解析を行った。UTXはその名称の"Ubiquitously Transcribed Tetratricopeptide Repeat, X chromosome"にある様にX染色体特異的遺伝子であり、Y染色体にはその相補体であるUTY "Ubiquitously Transcribed Tetratricopeptide Repeat, Y chromosome"が存在する。前立腺がんは男性特異的な腫瘍であるため、我々は前立的特異的なUtx欠失マウス(UtxΔ/Δ)に全身でUtyを欠失したUtyノックアウト(UtyKO)マウスを掛け合わせ、前立腺でUTXとUTYの両方を欠失したオスマウスであるUtx/Utyダブルノックアウト(UtxΔUtyKO)マウスを作製した。このUtxΔUtyKOマウスを長期観察したが、単独では前立腺がんの発症を認めなかったため、前立腺がん発症を誘発する目的で、高脂肪食の投与、およびがん抑制遺伝子p53のヘテロノックアウト(p53+/-)マウスとの掛け合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が作製したUtxコンディショナルノックアウトマウスに前立腺特異的にCreを発現するPbiCreマウスを掛け合わせ、前立腺特異的Utx欠失(UtxΔ/Δ)マウスを作製した。一方、CRISPR/Cas9の手法でUty遺伝子のexon 8をターゲットとして、全身でUtyを欠失したUtyノックアウト(UtyKO)マウスを作製した。こられのマウスを掛け合わせることにより、前立腺でUTXとUTYの両方を欠失したオスマウスであるUtx/Utyダブルノックアウト(UtxΔUtyKO)マウスを作製した。前立腺におけるUTX、UTYの欠損は、抗UTX抗体と抗UTY抗体を用いたWestern blotで確認した。 UtxΔUtyKOマウスを長期観察し、前立腺の病理解析を行ったが、腫瘍の発症は認められなかった。この結果は、UTXとUTYの欠失では前立腺がん発症には十分では無いことを意味している。そこで、1)UtxΔUtyKOマウスに炎症を介して前立腺がん発症を促進することが知られている高脂肪食を投与する、および2)UtxΔUtyKOマウスにがん抑制遺伝子p53のヘテロノックアウト(p53+/-)マウスを掛け合わせ、UtxΔUtyKO p53+/-マウスを作製する、という2種類の方法により、前立腺がんの誘発を試みた。その結果、高脂肪食投与とp53+/-マウスとの掛け合わせにより上皮内腫瘍(Prostatic Intraepithelial Neoplasia, PIN)が発症し、さらにUtxΔUtyKO p53+/-マウスに高脂肪食投与を投与するとPINから前立腺がんに侵攻することを見出した。これらの結果は、UTXとUTYの欠失は炎症やがん抑制遺伝子の機能低下と協調して前立腺がんの発症に寄与していることを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方針としては、 1)我々の結果は、UTXとUTYの欠失が前立腺がんの素因を成していると考えられる。我々はUTXに注目して実験を行なっており、前立腺がん発症におけるUTXの関与を解析する目的で、前立腺でUTXのみを欠失しUTYは存在しているUtxΔUty+マウスと、前立腺でUTXとUTYの両方を欠失したUtxΔUtyKOマウスの前立腺からRNAを抽出し、網羅的なRNA発現解析(RNA-seq)を行い、さらに得られた結果をGene Set Enrichment Analysis(GSEA)を用いてパスウェイ解析を行う。得られた結果を統合的に解析することにより、UTX欠失がどの様な機序により前立腺がん発症に寄与しているかについて明らかにする。 2)上記の結果を用いて、どの様な遺伝子発現を変化させることにより、またはどの様なパスウェイを調整すれば前立腺がん発症を抑制できるかについて、仮説を立てる。 3)マウス前立腺がん細胞株にCRISPR/Cas9の手法を用いて、UTYのみを欠失した亜株-1と、UTXとUTYの両者を欠失した亜株-2を作製する。亜株-1と亜株-2を同種マウスに移植し腫瘍径を経時的に計測することにより、亜株-1に比べて亜株-2の増殖が早いかどうかについて検討する。亜株-1よりも亜株-2の増殖速度が優位であることが認められた場合、UTX欠失が細胞に増殖能を与えていると考えられる。亜株-2に対して、2)で検出された遺伝子を変化させる、また同定されたパスウェイを調整することにより腫瘍細胞の増殖が抑制されるかどうかについて検討を行う。 4)ヒト前立腺がんを用いて、上記の結果に関連するWebデータを検討し、2)の仮説がヒト検体についても適応されるかどうかについて検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] MBTD1 preserves adult hematopoietic stem cell pool size and function2023
Author(s)
Takubo Keiyo、Htun Phyo Wai、Ueda Takeshi、Sera Yasuyuki、Iwasaki Masayuki、Koizumi Miho、Shiroshita Kohei、Kobayashi Hiroshi、Haraguchi Miho、Watanuki Shintaro、Honda Zen-ichiro、Yamasaki Norimasa、Nakamura-Ishizu Ayako、Arai Fumio、Motoyama Noboru、Hatta Tomohisa、Natsume Tohru、Suda Toshio、Honda Hiroaki
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 120
Issue: 32
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] The pathogenetic significance of exhausted T cells in a mouse model of mature B cell neoplasms2023
Author(s)
1.Shibamiya A, Miyamoto-Nagai Y, Koide S, Oshima M, Rizq O, Aoyama K, Nakajima-Takagi Y, Kato R, Kayamori K, Isshiki Y, Oshima-Hasegawa N, Muto T, Tsukamoto S, Takeda Y, Koyama-Nasu R, Chiba T, Honda H, Yokote K, Iwama A, Sakaida E, Mimura N.
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Journal Title
Cancer Immunol Immunother
Volume: -
Issue: 8
Pages: 2635-2648
DOI
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