新たな心理社会的ストレスモデルを用いた依存性薬物に対する欲求増大メカニズムの解明
Project/Area Number |
23K27484
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Project/Area Number (Other) |
23H02793 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金田 勝幸 金沢大学, 薬学系, 教授 (30421366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 直也 金沢大学, 薬学系, 助教 (30824792)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | 薬物依存 / 心理社会的ストレス / ノルアドレナリン / 精神的ストレス / 前帯状皮質 / コカイン / ストレス |
Outline of Research at the Start |
ストレスは薬物欲求を増大させる。このことが薬物依存症治療の障壁となるが、そのメカニズムには不明な点が多い。本研究ではマウスも他者の苦痛の目撃によりストレスを受けるという性質に着目し、他者の社会敗北(SD)を目撃させる「SD目撃ストレス」を新たな心理社会的ストレスモデルとして考案する。このストレスによる薬物欲求増大の神経メカニズムを、行動薬理学・電気生理学の手法に脳活動操作とイメージング技術を融合し、前帯状皮質、扁桃体、およびノルアドレナリン神経伝達に着目して個体・神経回路・シナプスレベルで解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
薬物依存症治療の障壁である「精神的ストレスによる薬物欲求増大」のメカニズムを解明するため、他者の社会敗北(SD)を目撃させるSD目撃ストレスを新たに考案した。薬物欲求の強さを評価できるコカイン条件付け場所嗜好性テストにSD目撃ストレスを組み合わせた独自の実験系を確立・利用することで、今年度は以下の成果を得た。 ①SD目撃ストレスによる薬物欲求増大が最も強く誘導される条件の特定:他者との関係がストレスによる薬物欲求の程度に影響するかを明らかにするため、事前に試験対象マウスとの同居により既知となったマウス、あるいは初対面マウスのSDを目撃させ、コカイン欲求の強さを比較したところ、初対面マウスよりも既知マウスのSD目撃のほうが、薬物欲求をより顕著に増大させることを見出した。 ②SD目撃ストレスによる薬物欲求増大に関与する脳部位の同定:SD目撃ストレスによる薬物欲求増大にどの脳部位が関与するかを明らかにするため、行動試験後のマウス脳切片において、神経活動マーカーのc-Fos蛋白発現を解析したところ、前帯状皮質(ACC)および扁桃体(Amy)の神経活動が上昇することを見出した。 ③SD目撃ストレスによる神経活動上昇に対するノルアドレナリン(NA)神経伝達の役割の解明:ACCは青斑核からストレス応答に関わるNA投射を受ける。SD目撃ストレスによるNA伝達亢進がACCの神経活動上昇と薬物欲求増大に関与する可能性が考えられた。そこで、ACCを含むスライス標本からホールセルパッチクランプ記録を行い、NAを適用したところ、錐体細胞において興奮性シナプス伝達増強と脱分極を誘導することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開始当初の研究計画を予定どおり実施し、研究実績の概要に記載の成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を踏まえ、以下の計画を実施する。SD目撃ストレスによって活性化されるACCおよびAmyの神経活動がどのようなタイミングで上昇するかを解明する。そのために、神経活動上昇に伴う細胞内Ca2+上昇を蛍光強度に変換するセンサー蛋白のGCaMP8mをアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて各脳部位に発現させ、ファイバーフォトメトリ法により神経活動を蛍光強度変化として定量的に計測する。SD目撃中のマウスのさまざまな行動と神経活動変化を相関づけて解析する。また、SD目撃ストレスによる神経活動上昇とコカイン欲求増大との因果関係をDREADD法により明らかにする。まず、抑制性の人工受容体hM4DiをAAVベクターによりACCまたはAmyに発現させる。そのリガンドであるCNO投与により、ACCまたはAmyの活動を人為的に抑制し、SD目撃ストレスによる薬物欲求増大が抑制されるか否かを検討する。さらに、NAによるACC神経活動上昇に関わるNA受容体サブタイを電気生理学的解析により明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Role of 5-HT1A receptors in the basolateral amygdala on 3,4-methylenedioxymethamphetamine-induced prosocial effects in mice2023
Author(s)
Hirohito Esaki, Yuki Sasaki, Naoya Nishitani, Hikari Kamada, Satoko Mukai, Yoshitaka Ohshima, Sao Nakada, Xiyan Ni, Satoshi Deyama, Katsuyuki Kaneda
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Journal Title
European journal of pharmacology
Volume: 946
Pages: 175653-175653
DOI
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Peer Reviewed
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