Project/Area Number |
23K27491
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Project/Area Number (Other) |
23H02800 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
水谷 隆太 東海大学, 工学部, 教授 (70272482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 晃久 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 散乱・イメージング推進室, 主幹研究員 (70426526)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 統合失調症 / ナノCT / 脳組織 / 神経細胞 / 三次元構造 / 脳 / 放射光 |
Outline of Research at the Start |
統合失調症では脳室拡大などが報告されてきているが、それがどのような神経細胞の変化に由来するのか、明らかでない。日本の統合失調症例で脳の神経細胞を三次元解析したところ、神経突起が細く縮れていることが判明した。そこで本研究では、米国の統合失調症例・対照例を対象に、同様の解析を行うことを目的とする。米国症例でも神経細胞の変化を明らかにできれば、細胞構造をターゲットとした新たな治療法開発の基盤となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳は、神経細胞がミクロなネットワーク構造を形成し、機能を発揮している。統合失調症では、脳室拡大や特定の脳部位の萎縮など、マクロな変化が報告されてきているが、それがどのような組織学的変化に由来するのか、よくわかっていない。 研究代表者は、日本の統合失調症例の神経細胞の構造をナノメータースケールで解析する研究を進めてきた。解析手法としてはCTスキャンの原理を応用したナノCT法を適用し、放射光施設と呼ばれる日米の研究施設で測定を行った。得られた三次元像を検討したところ、統合失調症では神経突起が細く縮れており、曲率の平均値が60%増になっていた[p = 0.00078 ]。この構造パラメータは、幻聴スコアとも強く相関していた。 これら成果は、米国アルゴンヌ国立研究所等からプレスリリースされ[https://www.anl.gov/article/seeing-schizophrenia-xrays-shed-light-on-neural-differences-point-toward-treatment]、各国メディアで報道された。その結果、米下院で国立研究所を所管する委員会より、米国の統合失調症例を解析するよう、要請があった。また、米国の主要な精神科ブレインバンクの一つであるStanley Medical Research Instituteから、脳組織の提供の申し出を受けた。 そこで本研究では、Stanely研究所より提供された統合失調症例および対照例の脳組織検体を対象に、ナノCT法による三次元解析を進めている。今年度は、対象とする全症例の測定検体を準備することができ、放射光施設での測定課題を得て、ナノCT実験を行った。併せて、これまでの成果を原著論文[https://doi.org/10.1371/journal.pone.0287646]として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請では、令和5年度は、Stanley研究所から提供された統合失調症例と対照例の脳組織ブロック検体を用いて、測定検体を準備することとしていた。また、年度後半には、大型放射光施設SPring-8において、フレネルゾーンプレートを用いた拡大X線光学系を適用し、200 nm分解能程度で脳組織のX線像を得ることを計画していた。 測定検体は、提供された全症例の準備に着手することができ、既に測定に用いている。また、測定実験は、年度前半より放射光施設の測定課題を得て、準備のできた脳組織検体から測定を進めており、年度後半にも測定実験を行っている。 これらのことから、研究は計画に沿って順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点まで研究は順調に進展しており、今後も当初計画通りの実施を見込んでいる。ただ、米国の放射光施設での測定実験は、施設改修は完了しているが、試験運用が行われている段階であり、利用公開されていない。そこで、国内での測定実験を先に進める計画とし、米国施設に関しては、供用開始された後に課題申請を行う予定である。 脳組織については、測定検体の準備を引き続き行い、測定実験に用いる。測定検体の準備は軌道に乗っており、定常的に行うことができている。令和6年度以降に予定している測定データの解析についても、ソフトウエア等の準備を済ませており、令和6年度から着手する予定である。
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