Project/Area Number |
23K27523
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Project/Area Number (Other) |
23H02832 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富田 博秋 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90295064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 紗耶 東北大学, 大学病院, 講師 (40455837)
小林 奈津子 東北大学, 大学病院, 助教 (80535146)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | 産後うつ病 / ゲノム / 表現型 / 性ホルモン / 炎症性サイトカイン / 個別化予防 / サイトカイン / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
産後うつ病は環境要因、性ホルモン等の身体要因、ゲノム要因等の複合で生じ、罹患へのゲノム要因の寄与率は50%前後と推算されている。本申請研究は、妊娠中から産後2年間の気分変動、性ホルモン、炎症性サイトカイン、血中代謝産物情報からなる多層的な表現型情報、すなわち「フェノーム」により、産後うつ病を類型化し、類型化された病態を規定するゲノム要因を特定することで、多因子要因からなる産後うつ病の病態解明を目指すものである。更に、妊娠中に採取できる生体情報を元に、産後2年間の母親の精神状態の経過を機械学習予測するアルゴリズムを確立し、産後うつ病の個別化予防技術開発の基盤となる知見と学理の確立を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
東北メディカル・メガバンク事業(ToMMo)に妊娠中に登録した母親のうち、産後1ヶ月、12カ月を通してEPDSが9を上回る「長期持続型の産後うつ群」、産後1ヶ月のみでEPDSが9を上回り、12カ月時点でEPDSが5を下回る「産褥期型の産後うつ群」、産後1ヶ月でEPDSが5を下回り、12カ月時点でEPDSが9を上回る「遅発型の産後うつ群」、産後1ヶ月、12カ月を通してEPDSが5を下回る「対照群」の実態を解明した。従来、産後1ヶ月前後までのうつ状態が注目されてきているが、産後1年以上の長期に渡る経過を捉えていくことは、周産期メンタルヘルスの保健政策上重要なだけでなく、病態の理解にも重要であることが示唆される。更に、三世代コホートに妊娠中に登録した母親の産後1ヶ月の産後うつ状態を対象とする表現型として、産後うつ状態と相関するゲノム要因の特定を進めた。その際、産後うつ状態に関与することが知られる妊娠中や産後の健康状態、生活環境、家族構成、生活習慣、初産・経産等の様々な要因の交絡を精緻に検証した。その結果、初産・経産の相違等により、産後うつ状態に関連するゲノム要因に大きな相違があることが分かり、これらの要因を統制した上でゲノム要因の特定を行うことの重要性が示唆された。また、上記の妊産婦の血漿の総合的な代謝産物の濃度のプロファイルであるメタボローム情報についても各交絡情報を考慮して、産後うつ状態との関連の検証を進めた。妊娠、分娩を通して、血漿のメタボロームのプロファイルが劇的に変動することに対して、産後うつ状態に関連する代謝産物の相違は微細であるが、交絡要因を注意深く統制することにより、一定程度、産後うつ状態に関連する代謝産物の変化を捉えることが可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北メディカル・メガバンク事業(ToMMo)に妊娠中に登録した母親のうち、産後1ヶ月、12カ月を通してEPDSが9を上回る「長期持続型の産後うつ群」、産後1ヶ月のみでEPDSが9を上回り、12カ月時点でEPDSが5を下回る「産褥期型の産後うつ群」、産後1ヶ月でEPDSが5を下回り、12カ月時点でEPDSが9を上回る「遅発型の産後うつ群」、産後1ヶ月、12カ月を通してEPDSが5を下回る「対照群」の実態を解明した。更に、三世代コホートに妊娠中に登録した母親の産後1ヶ月の産後うつ状態を対象とする表現型として、産後うつ状態と相関するゲノム要因の特定を進め、論文投稿の準備を進めるに至っている。その際、産後うつ状態に関与することが知られる妊娠中や産後の健康状態、生活環境、家族構成、生活習慣、初産・経産等の様々な要因の交絡を精緻に検証した。また、上記の妊産婦の血漿の総合的な代謝産物の濃度のプロファイルであるメタボローム情報についても各交絡情報を考慮して、産後うつ状態との関連の検証が進み、論文投稿の準備を進めるに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ToMMo三世代コホートに妊娠中に登録した母親のうち、産後1ヶ月、6カ月、12カ月を通してEPDSが9を上回る「長期持続型の産後うつ群」、産後1ヶ月のみでEPDSが9を上回り、産後6カ月および12カ月時点でEPDSが5を下回る「産褥期型の産後うつ群」、産後1ヶ月でEPDSが5を下回り、12カ月時点でEPDSが9を上回る「遅発型の産後うつ群」、産後1ヶ月、6カ月、12カ月を通してEPDSが5を下回る「対照群」に属する対象者を年齢等の交絡因子をマッチさせて各群を選抜する。これら各群につき、妊娠中、産後1カ月、産後12カ月の血漿中の代謝産物等の生体情報の比較を行う。また、ToMMoの統合データベースに集積されている血漿メタボロームデータから上記対象者の情報を抜き出し、上記解析結果に統合し、気分変動情報との関連を解析する。また、詳細な健康情報や生体情報に基づくフェノームによる産後うつ病の類型化を試み、ゲノム情報とフェノーム情報をもとに、産後1ヶ月、12ヶ月の産後うつ病を予測するポリジェニック・リスク・スコアを算出する。 並行して、東北大学病院の妊産婦コホートを立ち上げ、東北大学病院産科を受診する妊産婦(妊娠24-28週)をリクルートし、ウエアラブル活動量計を提供し、前年度と同様に妊娠24-28週の登録時から産後2年間の気分、睡眠、活動量情報の集積を行う。また、前年度と同様に登録時、産後1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月の臨床診断、詳細な臨床情報の集積を行うとともに血漿を採取する。ToMMoコホートのゲノム情報とホルモン、炎症性サイトカインに関する情報をもとに算出したポリジェニック・リスク・スコアを用いて、東北大学病院の妊産婦コホートで1年目に登録された対象者に適用し、ゲノム情報とフェノーム情報に基づく、産後うつ病罹患の予測精度を検証する。
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