放射線抵抗性の腫瘍内低酸素分画をモニターする血中バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
23K27546
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Project/Area Number (Other) |
23H02855 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 浩 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80362531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 通央 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40597936)
小林 稔 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (40644894)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | がん / 低酸素 / マーカー / 微小環境 / 増感 |
Outline of Research at the Start |
我々は、低酸素がん細胞が血中に分泌するタンパク質としてSPINK1を同定し、血漿内のSPINK1濃度がマウス移植腫瘍内の低酸素領域の量と相関することを見出した。また膵がん患者を対象にした予備検討で、血漿内SPINK1濃度が患者の予後不良と相関することを確認した。以上の結果は、血漿内SPINK1濃度を指標に“腫瘍低酸素の量”と“患者の予後”を予測できることを示している。この知見に基づいて本研究では、血漿内SPINK1濃度を指標に予後を予測する手法のProof-of-Concept(POC)の取得と、血漿内SPINK1濃度を測定する体外診断用医薬品の開発を目指して研究を展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の前に実施した一連の研究で申請者は、「腫瘍内低酸素領域に存在するがん細胞が、放射線治療を優位に生き残り、酸素・栄養環境の良い血管近傍に浸潤して、がんの再発を引き起こす」という再発メカニズムを解明してきた(Goto et al. Nature Commun. 2015; Nakashima et al. Sci Rep. 2017; Harada et al. Nature Commun. 2012; Zhu et al. Oncogene. 2013等)。また、低酸素誘導性転写因子HIF-1を活性化する新規遺伝子ネットワークや、HIF-1依存的に発現誘導され、がんの放射線抵抗性を惹起する低酸素誘導性遺伝子群を同定してきた(Zeng et al. Oncogene. 2015; Yeom et al. Oncotarget. 2017; Kobayashi et al. FEBS J. 2017; Koyasu et al. EMBO Rep. 2023; Chow et al. J Mol Biol. 2023等)。本研究ではその内の1因子(SPINK1)に着目し、その発現制御機構を解明することを目指して研究を展開した。 その成果として、SPINK1の発現が、急性低酸素刺激後(低酸素刺激を受けてから12~24時間程度)の間はHIF-1依存的に誘導される一方で、長期低酸素刺激後(低酸素刺激48~72時間程度)にはHIF-1非依存的な未知の機構によって誘導されることを見出した。また、この時、αケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼファミリータンパク質の活性低下や、複製ストレス応答が、重要な役割を果たしている可能性を見出した。さらにSPINK1の発現を担う新規低酸素応答性転写因子のスクリーニング実験のために、SPINK1プロモーターの下流に緑色蛍光タンパク質EGFPのコーディング配列をノックインした細胞を独自に樹立して、当該責任因子を同定しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HIF-1非依存的な放射線抵抗性機構を解明するモデルとしてSPINK1依存的経路を活用し、αケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼファミリータンパク質の活性低下や、複製ストレス応答の重要性を新たに見出した。また、SPINK1の発現を担う新規低酸素応答性転写因子のスクリーニング実験を通じて、責任因子を同定しつつあることから、研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
がん放射線抵抗性を担う新たな遺伝子ネットワーク構成因子として、αケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼファミリータンパクの同定、複製ストレス応答内で機能する因子の同定、SPINK1の発現を担う新規低酸素応答性転写因子の同定を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(23 results)