Project/Area Number |
23K27568
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Project/Area Number (Other) |
23H02877 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
水口 剛 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90404996)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | ロングリードシーケンス / リピート伸長 / ゲノム構造異常 / 希少疾患 / オミクス |
Outline of Research at the Start |
ロングリードシーケンサーの発展によりゲノム構造変異・リピート伸長変異の検出が全ゲノムレベルで可能となった。このような変異の中でタンパク質コード領域変異は直接的な遺伝子構造破壊により疾患の原因となりうるが、非コードDNA領域に位置した場合、ゲノム配列情報のみで病態への関与を証明することは困難である。本研究ではショートリードシーケンス解析で未解決の遺伝性疾患を対象に、ロングリードを駆使したオミクス解析を行い、全ゲノム構造変異・リピート伸長変異プロファイルと突合させることで疾患原因となる非コードDNA領域構造変異・リピート伸長変異の病態への寄与を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム解析:単一遺伝子疾患が想定されるショートリード解析陰性症例を対象に、ロングリード全ゲノムシークエンスを行い、Structural variant・リピート伸長変異に着目した疾患原因バリアントを探索した。2023年度は98症例の解析を実施した。膨大なタイプ・数のStructural variant (SV: ヒト2倍体ゲノム当たり約25000個) の中から実際に検証が可能なレベルまで候補を絞り込むためには、疾患と関係のないバリアントを除外するための大規模な健常コントロール構造多型データベースを充実させることが重要と考えられる。そこで所属研究室でこれまでに蓄積したロングリード全ゲノムシークエンスデータセットをコントロールとして整備した。実際に20/21症例のSV・リピート伸長変異陽性症例において自前のコントロールデータセットを用いたフィルタリングの有効性を確認できた。また細胞遺伝学的検査所見から、遺伝子発現調節領域に切断点をもつと推定された先天性奇形症候群2症例のロングリードシークエンスを実施した。しかしロングリード解析による塩基レベルの解析ではタンパク質コード領域に位置し直接的な遺伝子構造破壊を引き起こすバリアントであることが判明した。 DNAメチル化解析:トランスポゾン挿入やリピート伸長変異が異常DNAメチル化を介して疾患発症に関与することが知られておりメチル化異常をゲノムワイドに検出し、全ゲノム構造変異プロファイルと突合させてメチル化異常を引き起こすSV・リピート伸長変異を病的変異の候補とすることには妥当性がある。ロングリード全ゲノムシークエンスデータからゲノムワイドにメチル化のプロファイルを行い、健常コントロールとの比較からメチル化の外れ値を示す領域を抽出する系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析系の構築:疾患関連バリアントの抽出にはde novo バリアントに着目すること(トリオ解析)、健常コントロールデータと比較することでシーケンスエラーや疾患と関係のないバリアントを除外すること、バリアントの遺伝子機能へのインパクトによる優先順位づけを行うことが基本的な戦略となる。このうち遺伝子構造への影響、遺伝子と表現型との関連を統合して優先順位づけを行うプログラムの有用性が確認できた(J Hum Genet. 2023. PMID: 37308565)。一方で、この手法は既知遺伝子には有効だが、新規原因遺伝子の探索には向かない。またトリオ解析については、成人発症疾患など両親検体を取得できない場合があること、現状ではコスト面でトリオ解析が実施できる状況は限られることから、自前のコントロールデータセットと比較することで検証が可能なレベルまで候補SVを絞り込む解析系の有効性を確認できたことは今後に期待がもてる。 症例解析:98症例の解析から有力と考えた2個のバリアントについて検証を行ったが、病原性は否定的で、現在までのところ有力な候補は得られていない
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Strategy for Future Research Activity |
自前のコントロールデータセットを使用したフィルタリングが有効であることがわかったので、今後も症例解析を継続する。有力な候補が得られた場合は、バリアントが位置するゲノム領域に応じた機能解析により病態を明らかにする。
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