Project/Area Number |
23K27579
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Project/Area Number (Other) |
23H02888 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
永石 宇司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (60447464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 俊光 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (30547451)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 免疫学 / 粘膜免疫 / バリア機構 / 消化器病学 / 炎症性腸疾患 / 腸管免疫 |
Outline of Research at the Start |
我々はこれまでの研究結果をもとに、本研究計画では粘膜バリアによる免疫寛容誘導機構を詳細に解析する。本研究は「腸管の免疫恒常性は粘膜バリア機構の維持によって制御され、その破綻がIBDの本態となる」という概念に着目しつつ、独自の腸炎モデルおよび5次元生体イメージング等、我々が既に樹立している技術を融合し、得られる成果からはこれまで理解し得なかったGALTにおける新規免疫応答が見出される。またIBDの発症や永続性といった病態メカニズムの理解が可能となり、最終的にIBDの特異的病態に対する新規診断・治療法開発の基盤を創出するものと期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は申請者らがこれまで見出してきた「腸管粘膜の免疫恒常性は粘膜バリア機構の維持によって制御され、その破綻がIBDの本態となる」という独自の概念や知見を基盤として、独自の腸炎モデル、新規バイオセンサーおよび生体イメージング技術等、我々がこれまでに樹立してきた技術を融合し、これまで理解し得なかったGALTにおける免疫寛容の誘導機構について追求している。その結果、本研究では当該研究期間に以下のような成果が得られた。 1)定常状態の野生型C57BL6マウス(WT)の脾臓、肝臓、腸間膜リンパ節といった二次リンパ組織、あるいはパイエル板、粘膜固有層リンパ球、腸上皮間リンパ球などのGALTから各免疫担当細胞を単離し、マクロファージや樹状細胞といった抗原提示細胞をさらなるその他の表面マーカーによって各サブセットに分取することに成功した。2)これらの各サブセットにおけるIL-12、IL-4、IL-6、TGF-bなどの発現を解析したところ、各細胞系統に異なる発現パターンを呈するものが混在することを見出した。3)これを受け、IL-10やTGF-bを発現する集団とそれ以外の各集団の比率を細胞系統ごとに解析したところ、免疫寛容の誘導に大きく関わることが推測される複数の集団を見出した。4)さらに生体内におけるこれらの集団に着目し、こうした細胞とT細胞との接触や細胞径を共焦点顕微鏡下で確認することに成功した。 これらの研究成果は、定常時の腸管粘膜における免疫寛容状態の客観的な機能的解析がin vitroおよびin vivoで可能であることを示唆する。さらに現在、この免疫寛容メカニズムの詳細な生化学・細胞生物学的解析、生体イメージング観察、および腸炎発症時における同様の観察準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸管粘膜の免疫寛容や免疫賦活の調節は、抗原提示細胞や粘膜バリア機構によって制御されていることが根幹にあり、GALTにおける正常な免疫寛容誘導の破綻がIBDの本態となる可能性について着目しているが、今回我々は免疫寛容状態に深く関わることが推測される抗原提示細胞サブセットを、in vitro、ex vivoおよびin vivoで客観的に観察、評価できたことは大きな成果であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vitroおよびex vivoにおける細胞間クロストークの分子メカニズムに着目し、これをさらに詳細に解析するために分子生物学的解析や共焦点顕微鏡下での生体イメージング観察、またin vivo実験系では独自の腸炎モデルにおける臨床および病理学的解析、フローサイトメトリー、サイトカイン測定、また免疫組織染色などを行う予定である。
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