Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
転写因子KLF5は心血管リモデリングと腫瘍増生に関わる。我々はKLF5阻害薬の開発を進め、最近、抗癌作用をもつNC化合物を報告した。さらに、NC化合物は、心肥大、心収縮能、生命予後を大きく改善した。しかしこの作用がWnt系の抑制と複合体I阻害のいずれによるか、また酸化ストレスと嫌気的解糖がなぜ改善するかは不明である。本研究ではNC化合物の心不全治療効果を複数のマウスモデルで検証し、心筋細胞のエネルギー代謝調整機構やミトコンドリア蛋白との結合に関する解析を行う。本研究は心不全固有のエネルギー代謝調整機構の解明と、新しい心不全治療薬の開発に結びつくと期待される。