Project/Area Number |
23K27624
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Project/Area Number (Other) |
23H02933 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清井 仁 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90314004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 裕一 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80721092)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 分子標的薬 / 耐性クローン / クローン選択 / 分子異常 |
Outline of Research at the Start |
急性骨髄性白血病(AML)に対する分子標的薬の導入は治療成績の向上をもたらしているが、耐性クローンの存在は依然重要な臨床的課題であり、耐性克服のみならず、耐性出現前にAML細胞の根絶を得るための至適併用療法の確立が必要である。本研究は、我々が樹立したシングルセルバーコードラベル化細胞株やPDX治療モデルおよび標的薬治療後再発症例の経時的臨床検体を用いたマルチオミクス解析を実施することにより、耐性クローンの選択から増幅に関わる分子病態の変化過程を明らかにし、標的薬治療のアルゴリズム構築と耐性克服に繋がる治療標的となりうる分子基盤の解明を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
難治性急性前骨髄球性白血病(APL)クローンの分子病態解明を目的として、JALSG APL212試験再発例、APL-PDXモデルにおける移植細胞、生着細胞の全エクソン解析、トランスクリプトーム解析を実施し、難治性APL細胞における分子異常の特徴を検討した。8例の初診時検体、3例の再発時検体から従来樹立が困難といわれていたAPL-PDXモデルを樹立した。このうち、継代が可能であった4例は、全例再発を来し、PML::RARA short-form、FLT3-ITD変異を有していた。また、初診/再発時ペア検体とAPL-PDXモデルでの解析により、再発時に認められた遺伝子変異を有するクローンが、APL-PDXモデルにおいて選択的に生着、増殖することが確認された。 様々な分子病型を有する難治性AML-PDXモデルを樹立し、抗がん剤、分子標的薬(FLT3阻害薬、Azacitidine、Venetoclax)の投与後に骨髄中に残存する治療抵抗性細胞を分離した。FLT3阻害剤長期投与後残存細胞におけるシングルセルRNA-Seq解析により、複数のFLT3阻害剤に共通して細胞接着分子とそのリガンド複合体の高発現が認められ、分子標的薬治療後の臨床検体においても同様の所見が得られたことから、治療抵抗性に関わる分子病態であることが強く示唆され、その分子メカニズムについて検討を進めている。 また樹立したPDX細胞にシングルセルバーコードを導入し、これまでに7例のDNAバーコード導入PDXモデルを樹立した。更に、RNAバーコード導入PDXモデルの樹立を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初診時/再発時ペアAPL臨床検体とPDX生着APL細胞による解析から、APL-PDXモデルにおいても、他のAMLと同様に再発/難治性クローンに認められる遺伝子異常を有するクローンが選択的に生着、増殖することを証明し、APLの難治性クローンの進展過程を解析する上での本モデルの有用性を確認した。この結果に基づき、シングルセルバーコードラベル化APL-PDXモデルに対して分子標的薬剤投与後の残存APL細胞の解析を行うことにより、難治性APLクローンの選択・進化過程を追跡する実験系の妥当性が証明された。 FLT3変異陽性AML-PDXモデルに対するFLT3阻害剤長期投与後に残存する治療抵抗性クローンにおけるシングルセルRNA-Seq解析の結果、複数のFLT3阻害剤に共通して発現亢進している分子を同定し、臨床的にFLT3阻害剤投与後再発を来したペア検体においても同様の所見が得られたことから、FLT3阻害剤耐性に関わる分子を同定できたと考えられる。現在、耐性機構に関わる分子機構を検証しており、耐性克服に向けた機構解明に繋がる成果が期待できる。 種々の分子異常を有するAML検体を用いたPDXモデルの作成を継続的に実施しており、それらAML-PDXモデルに対しBCL2阻害剤、脱メチル化剤などの投与後残存細胞の取得を進めると共に、シングルセルバーコードラベル化AML-PDXモデルの樹立も順調に進んでおり、当初予定の計画に沿って順調に進捗を認めている。
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Strategy for Future Research Activity |
APLにおけるクローン選択の解明 これまでに樹立したAPL-PDX細胞(PML-RARAにおけるATRA耐性変異が有るものと無いもの)について、シングルセルバーコードラベル化を行い、上記薬剤に加えて、ATRA、AM80、ATO 、IDR、CA、AZA、VENの投与を行い、投与後骨髄中に残存および再増殖を来したAPL細胞のクローン解析を細胞株と同様に行う。細胞株、PDXモデルでのATRA、AM80、ATO投与後の残存細胞の検討においては、分化誘導の有無を区別して解析するために、CD11bの発現を指標にソーティングを行った上で解析を進める。 FLT3遺伝子変異陽性AMLにおけるクローン選択の解明 シングルセルバーコードラベル化した変異FLT3発現32D細胞株を同型マウスC3Hに移植し、白血病を発症させたモデルに対し、FLT3阻害剤、VEN、DNR、CA、AZAを単独または併用投与を行い、残存および再増殖を来すクローンの分子病態をscRNA-Seqなどを用いて網羅的かつ経時的に解析する。本モデルでは、髄外腫瘤も形成されることが確認できているため、骨髄で増幅する難治性クローンと髄外腫瘤形成クローンとの比較解析も行う。移植モデルと同様の解析をシングルセルバーコードラベル化FLT3変異陽性AML-PDXを用いて解析する。初診時AML細胞由来PDXに加えて臨床的にGilteritinib耐性となったAML細胞由来のPDXモデルも樹立しており、これらを比較検討して解析を行う。 APL、FLT3変異陽性AML以外のAMLにおけるクローン選択の解明 樹立されているAML-PDXモデルに対し、VEN単独、およびAZA、CA、IDR、DNRとの併用投与後に残存する治療抵抗性AML細胞の解析を継続して進める。
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