Project/Area Number |
23K27626
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Project/Area Number (Other) |
23H02935 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新井 文用 九州大学, 医学研究院, 教授 (90365403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 健太郎 九州大学, 医学研究院, 講師 (90569584)
八尾 尚幸 九州大学, 医学研究院, 助教 (90835282)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 幹細胞ニッチ / 造血幹細胞 / 骨内膜 / ニッチ / Itga8 |
Outline of Research at the Start |
骨内膜領域に存在するALCAM+Itga8+ 細胞が多能性と造血支持能を持つMSCであることを見出した。本研究では、新たに同定されたMSCと他のMSC分画との関係性を理解することで、MSCの機能的階層性を明らかにする。また、ALCAM+Itga8+ MSCによるHSCの維持機構を解明する。さらに、転移学習を駆使して、ALCAM+Itga8+ MSCに相当するヒトMSCの同定に挑戦する。本研究の成果は、造血制御機構の解明だけでなく、HSCの機能低下の防止、さらには機能回復にも応用できると考える。また、治療に効果的なMSCを同定することで、移植治療や再生医療の発展に貢献することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞 (MSC) は、造血ニッチ細胞として重要な機能をもつ幹細胞である。我々は、骨内膜領域に存在する骨ライニング細胞 (BLC) の中で、ALCAM+Itga8+ 分画が多分化能と高い造血支持能を持つMSCであることを見出した。本研究では、新たに同定したItga8+ MSCに焦点を当てて解析を行い、幹細胞ニッチの機能的階層性の理解に向けた解析、Itga8+ MSCによる造血支持機構の解析を進めている。 1. 幹細胞ニッチの機能的階層性の理解:Itga8-CreマウスとROSA26-DTR-tdTomatoマウスを交配して、Itga8-Cre; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスを作製した。抗体を用いたFACS解析では、Sca-1+ MSCやCD51+CD140a+ MSCにはItga8の発現が認められないが、Itga8-Cre; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスを用いた解析では、これらの細胞群にもtdTomatoの発現が確認され、Sca-1+ MSCやCD51+CD140a+ MSCが一度はItga8を発現した経験を持つことが示唆された。これらの結果から、Itga8+ MSCから他のMSC分画が生み出されている可能性が考えられた。 2. Itga8+ MSCによる造血支持機構の解析:Itga8-Cre; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスにジフテリアトキシンを投与してItga8+ MSCを除去した後に、造血幹細胞 (HSC) と造血前駆細胞 (HPC) の減少を解析したところ、Itga8+ MSCの減少に伴って、HSCとHPCが減少することが分かった。次に、BLCを対象としたシングルセルRNAシーケンス (scRNA-Seq) 解析を行い、Itga8+ MSCに特異的に発現する複数の新規ニッチ因子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Itga8-Cre; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスを用いた解析によって、Itga8+ MSCから他のMSCが供給されている可能性が見出されている。また、BLCのscRNA-Seq解析から、Itga8+ MSCにPostn が特異的に発現していることを見出した。そこで、Postnプロモーターの制御下でタモキシフェン誘導性Creリコンビナーゼを発現するマウス (Postn-MerCreMer, 以下、Postn-MCM) を導入し、ROSA26-DTR-tdTomatoマウスとの交配を進めている。Postn-MCM; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスにタモキシフェンを投与することで、Postn+ MSCにおいて時期特異的にCreの発現を誘導し、より詳細な系統追跡解析を行うことが可能となっている。 Itga8+ MSCの造血支持機構の解析では、Itga8+ MSCを除去することで、HSPCが減少することを見出しており、Itga8+ MSCが生体内においてニッチ細胞の1つとして機能することが明らかとなった。 Itga8+ MSCとHSCの共培養でトランスウェルを用いると、Itga8+ MSCはHSCを支持できないことが分かった。この結果から、Itga8によるHSCの機能維持には細胞接着を介した機構が働いていると考えられる。さらに、Itga8+ MSCがPostn、Mfap4、Chodl、Ptx4,Tnmdを特異的に発現していることを発見している。特に、PostnとMfap4はインテグリンαVβ3のリガンドとして機能する細胞外基質タンパクであり、HSCはβ3-integrinを発現していることから、HSCの機能制御に直接的な作用を持つと考えられた。新たに同定したニッチ因子候補についてはリコンビナントタンパクを導入しており、機能解析を進める準備が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 幹細胞ニッチの機能的階層性の理解に関しては、Postn-MCM; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスを用いた系統追跡解析を行う。また、tdTomato+ MSC (Itga8+ MSCおよびPostn+ MSC) の骨髄内移植実験を行い、他のMSCサブセットや骨芽細胞、軟骨細胞におけるtdTomatoの発現を解析して、造血ニッチ形成におけるtdTomato+ MSCの役割を明らかにする。 2. 新たに同定したニッチ因子候補の機能解析については、各因子のリコンビナントタンパクを用いたHSCの培養を行い、培養後の骨髄移植実験によって自己複製能を維持できるかを解析する。また、PostnとMfap4については、CRISPR-Cas9を用いて各因子をノックアウトしたMSCを作製する。その後、HSCとの共培養を行って、培養後のHSCの長期骨髄再構築能を解析する。これらの解析によってPostnとMfap4がニッチ因子として働くのかを明らかにする。 3. 我々の研究では、Itga8+ MSCが加齢に伴い減少することが確認された。この結果から、加齢に伴うHSCの機能低下やリンパ球産生の低下にItga8+ MSCの減少が関与すると推測される。そこで、老齢マウスに若齢マウスのItga8+ MSCを骨髄内移植し、HSCの骨髄再構築能とリンパ球産生が回復するか検討する。 4. 本研究では、転移学習を駆使したマウスのItga8+ Postn+ MSCに相当するヒト未分化MSCの同定を目指している。その準備段階として、Postn-MSC; ROSA26-DTR-tdTomatoマウスを用い、Itga8+tdTomato+ MSCを分離してのscRNA-Seqデータを取得する。
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