エピトランスクリプトミクスを活用したエイズウイルス潜伏化維持機構の解明
Project/Area Number |
23K27641
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Project/Area Number (Other) |
23H02950 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
梁 明秀 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 部長 (20363814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 弥生 横浜市立大学, 先端医科学研究センター, 准教授 (80391936)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | エイズウイルス / HIV / AIDS / 潜伏化 / 転写後調節 / Tat / プロテオミクス |
Outline of Research at the Start |
HIV潜伏感染細胞を完全に排除するための基盤研究として、ウイルス遺伝子転写後の各段階のブロックによる潜伏化維持の分子メカニズムを解明し、潜伏感染を完全に解除するための新たな戦略を提案する。 インターフェロン誘導性宿主因子とウイルスRNAおよびウイルスタンパク質との相互作用を手がかりとして、潜伏化に関わる新たな制御因子を特定し、ウイルスをRNAレベルで統御できる新規治療戦略の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、HIV潜伏化における転写後チェックポイントの役割とその分子機構を明らかにすることで、ウイルス除去のための新たな戦略の創出を目指した基盤研究を実施している。今年度はヒトT細胞・単球/マクロファージ細胞株および末梢血CD4+T細胞を用いて、レポーター遺伝子を導入したHIVの潜伏化細胞モデルを構築した。続いて、それらの細胞に各種latent-reversing agent (LRA)を投与し、再活性化や転写後の停留について、各段階のウイルス転写産物のプロファイリングを行った。具体的には、デジタルドロップレットqRT-PCRを用いて、転写停留中間産物である転写干渉(U3-U5)、転写開始(TAR)、5’伸長(R-U5-pre-Gag)、遠位転写(Nef領域)、完了(U3-polyA)、多重スプライシング(Tat-Rev)を示唆する転写産物を定量化できる実験系を構築し再活性化の際に停留する位置を確認した。さらに、近接依存性ビオチン標識(BioID)法と質量分析法を駆使したプロテオミクスにより、転写後調節に関与するHIVアクセサリータンパク質 (Tat、Rev)と直接相互作用する宿主因子の探査を行った。複数回の条件検討により、TatおよびRevに結合する宿主因子を数十種類、同定することに成功した。これらの中からウイルス転写後調節や潜伏化に関与する因子群を絞り込むためバイオインフォマティクスを用いたGO解析ならびにパスウェイ解析をを実施した。また、ウイルスRNAと相互作用する宿主因子探索に向けてCRISPR/cCas13およびバクテリオファージ由来MS2-RNAとその結合タンパク質MCPを用いた標的化について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標通りに研究を実施することができた。具体的には、ヒトT細胞・単球/マクロファージ細胞を用いた潜伏化細胞株の樹立ならびにデジタルドロップレットqRT-PCRを用いて、転写停留中間産物を定量的にモニタリングできるアッセイ系を構築した。また、HIVアクセサリータンパク質と相互作用する宿主因子を複数同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、転写停留中間産物である転写干渉転写開始(TAR)、5’伸長(R-U5-pre-Gag)、完了(U3-polyA)、多重スプライシング(Tat-Rev)を示唆する転写産物の量比を測定することで、HIV転写後チェックポイントを司る因子群のスクリーニングを行う。ウイルスタンパク質と機能的相互作用する宿主因子群の探索については、BioIDを用いた近接ビオチン化法に加えて、全長タンパク質ライブラリーや質量分析計を駆使して、HIVの調節タンパク質であるTatやRevを制御する宿主因子を同定し、その機能を明らかにする。ウイルスRNAを制御する因子群を特定するため、CRISPR/Cas13またはMS2/MCPを活用した近接ビオチン化法等によりHIV RNAを標的としたHyPR質量分析を実施する。ウイルスタンパク質と機能的相互作用する宿主因子群については、各種変異体を作製して結合部位のマッピングを行うとともに、灰オインフォマティクスの手法等を用いて結合部位や結合様式をアミノ酸レベルで明らかにする。さらには、ウイルスRNAを相互作用する宿主調節RNA群(miRNAやlncRNA)について次世代シークエンス等を用いて検討する。続いて、候補因子に対するgRNAやshRNA、さらには化合物、抗体などを用いて、個々の因子の転写後チェックポイントへの関与や役割について検討する。エピトランスクリプトミクスを用いてHIVのゲノムRNAの機能や安定性を制御する因子群についても併せて解析する。続いて、ウイルスタンパク質の機能解析結果をバイオインフォマティクス解析データと統合させることにより、転写後チェックポイントの観点からウイルスの表現型を評価する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Development of a contacting transwell co-culture system for the in vitro propagation of primary central nervous system lymphoma2023
Author(s)
Nishi M, Tateishi K, Sundararaj JS, Ino Y, Nakai Y, Hatayama Y, Yamaoka Y, Mihana Y, Miyakawa K, Kimura H, Kimura Y, Yamamoto T, Ryo A.
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Journal Title
Front Cell Dev Biol
Volume: 11
Pages: 15768-15768
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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