Project/Area Number |
23K27661
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Project/Area Number (Other) |
23H02970 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉丸 哲郎 徳島大学, 先端酵素学研究所, 准教授 (80424729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 圭司 徳島大学, 先端酵素学研究所, 特任准教授 (60294039)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | HER2陽性乳がん / トラスツズマブ耐性 / ペプチド創薬 / がん抑制因子 / ステープル化ペプチド |
Outline of Research at the Start |
われわれは、BIG3の細胞内局在がHER2陽性乳がんではトランス・ゴルジ網(TGN)に局在すること、さらに、抗HER2抗体薬トラスツズマブに耐性を獲得した難治性のHER2陽性乳がんではその局在が細胞膜へと変化することを見出した。この事実は、BIG3がTGNから細胞膜に移行することでトラスツズマブ耐性獲得に大きく関与することを意味し、細胞内局在が変化する分子メカニズムを解明することで、BIG3-PHB2複合体の制御を介したHER2陽性乳がん、特に詳細な分子機序が不明であるトラスツズマブ療法耐性に対する治療戦略を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
HER2陽性乳がん細胞のBIG3-PHB2複合体は、トランスゴルジ網(TGN)に局在することを見出したことから、BIG3-PHB2複合体を標的としたステープル化ペプチド(stERAP)を用いて、TGNから分泌されるタンパク質への影響を検討した。その結果、stERAP処理は乳がんの転移や浸潤に関連するタンパク質の分泌を有意に抑制することを認めた。また、BIG3抗体の免沈産物の質量分析データから、BIG3が細胞質内pHの制御に関与するタンパク質と相互作用することを見出し、TGNのBIG3-PHB2複合体がTGN内pHを調節して細胞外へのタンパク質分泌を制御していると考えられた。 また、HER2陽性乳がん細胞株に膜型受容体を過剰発現させると、BIG3-PHB2複合体をTGNから細胞膜に移行する成果から、BIG3活性化を介したBIG3-PHB2複合体の移行システムを評価した。上記の質量分析データからBIG3は小胞輸送タンパク質とも相互作用することを発見し、その発現抑制が膜型受容体の過剰発現による細胞膜への移行を阻害しすることを明らかにした。これらの事実は、BIG3-PHB2複合体がトラスツズマブ耐性獲得に大きく繋がることを示唆するものであり、今後、その詳細な分子病態を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HER2陽性乳がん細胞株ではBIG3-PHB2複合体がTGNに局在し、細胞外へのタンパク質の分泌を制御しているデータからTGNに局在する意義を明らかにしたこと、一方でトラスツズマブ耐性獲得細胞株ではBIG3-PHB2複合体が細胞膜に局在する分子病態を明らかにするデータを得たことで、耐性獲得機序の解明の一助になる可能性が示唆されるので、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点ではおおむね順調に進展しているが、BIG3-PHB2複合体がTGNの形態に及ぼす影響を詳細に評価することで、BIG3-PHB2複合体によるTGNの構造維持と細胞外分泌や細胞質pH制御との関係を明らかにして、TGN局在BIG3-PHB2複合体の病態生理学的意義を評価する。また、トラスツズマブ耐性細胞株の細胞膜に局在する意義を、耐性獲得シグナルとの関連性から明らかにする。 さらに、stERAP処理によりBIG3から解離したPHB2の長期薬効機序の解明を進めるため、stERAPを投与したマウス腫瘍組織のプロテオーム解析を通じた活性型PHB2結合タンパク質の同定を遂行することで、当初の達成目標に向けて推進していく。
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