Project/Area Number |
23K27670
|
Project/Area Number (Other) |
23H02979 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正樹 東海大学, 医学部, 特任教授 (70190999)
秋山 好光 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
島田 周 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20609705)
波多野 恵 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50867992)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
|
Keywords | 難治性がん / 多様性 / 分子サブタイプ / ゲノム編集 / 複合免疫療法 / 多重ゲノム編集 / シングルセル解析 / 腫瘍微小環境 / 代謝異常 |
Outline of Research at the Start |
近年のゲノム解析により難治性がんの分子サブタイプ分類が進み 臨床応用が期待されているが、各々の生体内特性・免疫多様性には不明な点が多く、治療開発には至っていない。本研究では、外科切除症例の臨床検体を用いた分子免疫サブタイプ解析に基づき、多重ゲノム編集により正常免疫の前臨床モデルをそれぞれ構築して、各サブタイプの分子生物学的機序を解明し、特異的複合免疫療法を開発することが目的である。前臨床モデルにより明らかとなった分子情報は、多施設臨床検体を用いて前向きに検証するシステムを備えている。癌多様性の解明と臨床検証を基盤として、難治性がんの治療開発を展開する実践的課題である。
|
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は難治性消化器癌の臨床検体を用いた全ゲノム解析・分子免疫データの統合オミックス解析を行い、難治性サブタイプ特異的な腫瘍免疫微小環境の解明を進めている。一方 ゲノム編集による医学のイノベーションが進展しており、申請者は高効率多重ゲノム編集技術を開発して、サブタイプ特異的な癌進展機序を解析し治療開発を進めてきた。本研究の目的は、難治性消化器癌の臨床サブタイプを多重ゲノム編集等により各々再現し、精密な前臨床モデルを用いてサブタイプ特異的分子機序を解明し、新規治療法を開発することである。各難治性サブタイプの特異的モデルを構築し、腫瘍免疫環境を経時的に把握することが喫緊の課題となっている。本研究では、正常免疫下の生体内における免疫環境特異性の解析を行い、免疫療法および分子標的治療等による腫瘍および微小環境の進化過程を同定し、最適な複合治療戦略システムを明らかにする。 肝癌では高再発性サブタイプと相関する特異的遺伝子をシングルセル解析によって同定した。特異的遺伝子が惹起する肝癌細胞の増殖および浸潤の亢進のみならず、腫瘍微小環境に対する相互作用が誘導されることを明らかにしており、肝癌細胞との共培養解析によってメカニズム解析を進めている。また、免疫抑制サブタイプと相関する特異的遺伝子を同定し、代謝異常と免疫関連細胞の相関をシングルセル解析によって同定した。現在、その分子生物学的機序の解明を進めており、治療標的としての有効性を検証する方針である。 膵癌および胃癌における難治性サブタイプを再現した前臨床モデルを構築し、網羅的遺伝子解析によって特異的遺伝子群を同定した。現在、各遺伝子群のゲノム編集解析等にて難治性機序の解明を進めており、治療標的としての有効性を検証する方針である。 得られた成果を豊富な外科臨床検体を用いて再検証する相互システムを構成しており、実臨床に基づいた戦略的治療開発である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では難治性消化器癌サブタイプとして、現在6種類以上のモデル構築に成功している。 (1)肝癌高再発性サブタイプでは、シングルセル解析によって特異的遺伝子を同定した。特異的遺伝子が惹起する肝癌細胞の増殖および浸潤の亢進作用を同定し、さらに腫瘍微小環境に対する相互作用が誘導されることを明らかにしている。現在、肝癌細胞との共培養解析によってメカニズム解析を進めており、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証している。 (2)肝癌免疫抑制サブタイプと相関する特異的遺伝子を同定し、代謝異常と免疫関連細胞の相関をシングルセル解析によって同定した。現在、その分子生物学的機序の解明を進めており、治療標的としての有効性を検証する方針である。さらに、免疫抑制サブタイプと相関する新規エピゲノム異常モデルも見出しており、当初の計画以上に進展している。 (3)膵癌における難治性サブタイプを再現した前臨床モデルとして、免疫回避サブタイプおよびエピゲノム異常サブタイプを構築した。網羅的遺伝子解析によって特異的遺伝子群を同定し、免疫関連細胞異常との相関を見出しており、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証している。 (4)胃癌における難治性サブタイプを再現した前臨床モデルとして、免疫回避サブタイプおよびエピゲノム異常サブタイプを構築した。網羅的遺伝子解析によって特異的遺伝子群を同定し、免疫関連細胞異常およびノンコーディングRNA異常との相関を見出しており、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証している。さらに、胃癌の腹膜播種転移と相関する難治性サブタイプも構築しており、当初の計画以上に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究計画として、課題(1)では高再発性サブタイプ肝癌細胞との共培養解析によってメカニズム解析を進める。我々は、ゲノム編集がんオルガノイドと免疫細胞の複合体モデルを構築し、腫瘍免疫抑制メカニズムに基づく特異的治療標的を明らかにしている。これらの実績を基盤にして、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証し、臨床応用へと展開する。課題(2)では、免疫抑制サブタイプ肝癌における代謝異常と免疫関連細胞の相関について解析し、その抑制機序解明によって治療標的としての有効性を検証する。さらに、免疫抑制サブタイプと相関する新規エピゲノム異常モデルの臨床病理学的意義を解明するため、スーパーコンピューターを用いたbioinformatics解析を開始しており、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証し、臨床応用へと展開する。課題(3)では、免疫回避サブタイプ膵癌およびエピゲノム異常サブタイプ膵癌の特異的遺伝子群を同定し、それぞれ特異的な免疫関連細胞の異常を示す腫瘍微小環境との相関を明らかにしており、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証し、サブタイプ特異的な臨床応用へと展開する。課題(4)では、免疫回避サブタイプ胃癌およびエピゲノム異常サブタイプ胃癌の網羅的遺伝子解析により特異的遺伝子群を同定し、免疫関連細胞異常およびノンコーディングRNA異常との相関を明らかにしており、治療標的およびバイオマーカーとしての有効性を検証し、サブタイプ特異的な臨床応用へと展開する。さらに、胃癌の腹膜播種転移と相関する難治性サブタイプも構築しており、網羅的遺伝子解析により特異的遺伝子群を同定し、分子免疫学的機序を明らかにする。得られた成果は豊富な外科臨床検体を用いて再検証するシステムを備えており、生体内多様性メカニズム解明を基盤として、難治性がんの治療開発を展開する実践的課題である。
|