Investigation of impaired liver resident NK cell function in metabolic syndrome and development of an integrative therapy
Project/Area Number |
23K27672
|
Project/Area Number (Other) |
23H02981 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大平 真裕 広島大学, 病院(医), 助教 (30397947)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
|
Keywords | NK細胞 / メタボリックシンドローム / 肝臓 / 肝内免疫 / 肝細胞癌 / 肝切除 |
Outline of Research at the Start |
メタボリックシンドロームは、動脈硬化を進行させ心臓病や脳卒中の危険が高まるのみならず、外科手術後の合併症や癌再発に悪影響を与える。本研究では、メタボリックシンドロームのマウスモデルにおける肝内在性NK細胞機能に関与する因子を解析し、肝切除・肝転移・肝移植モデルを用いて抗腫瘍活性を検討する。さらに、臨床サンプルを用いて肝内免疫と予後の関連を解析する。その結果、メタボリックシンドロームが肝内在性NK細胞の抗腫瘍活性を低下させる原因と対策が明らかとなる。本研究結果は、増加傾向にあるメタボリックシンドローム患者に対する外科治療成績向上及び新規抗癌治療法開発の礎となる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メタボリックシンドロームが肝内在性ナチュラルキラー(NK)細胞の抗腫瘍活性に与える影響を明らかにすることである。我々はこれまで、肝内在性NK細胞が強力な抗腫瘍活性を持ち、肝切除後や肝移植後の肝内免疫で重要な役割を果たすことを報告してきた。本研究では、メタボリックシンドロームのマウスモデルにおける肝内在性NK細胞機能に関与する因子を解析し、肝切除・肝転移・肝移植モデルを用いて抗腫瘍活性を検討する。 まず肝切除後に肝内在性NK細胞の抗腫瘍分子TRAIL活性が低下するメカニズムを明らかにした。肝切除は、肝臓内NK細胞の分化様式を変化させ、アリール炭化水素受容体(AhR)分子がこれらの変化に関与していた。AhRアゴニストである6-ホルミルインドロ[3,2-b]カルバゾール(FICZ)で処理すると、NK細胞の成熟が阻害されTRAIL活性の高く細胞傷害性の高いNK細胞が増加した。このメカニズムとして、NK細胞の成熟に関与するmTORシグナル伝達経路におけるFoxO1の発現がTRAIL発現をもたらしていた (Sato, et al. Cancer Medicine 2023)。 糖尿病治療薬であるメトホルミンはmTORシグナルを阻害し、抗腫瘍活性を持つことが知られている。マウスにメトホルミンを投与すると、肝内在性NK細胞の割合が増加し抗腫瘍活性が増強した。さらに、肝切除後肝転移モデルを作成すると、メトホルミン投与群で腫瘍の縮小を見た。メカニズムを明らかにするためにメトホルミン投与後肝組織のマイクロアレイ及びpathway解析を施行し候補遺伝子の絞り込みを行っている。引き続きメトホルミンによる肝内在性NK細胞活性化メカニズムの分子学的解析を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、メタボリックシンドロームが肝内在性ナチュラルキラー(NK)細胞の抗腫瘍活性に与える影響を明らかにすることである。 肝切除が肝内在性NK細胞活性低下をきたすメカニズムとして、AhRが肝内在性NK細胞の分化様式を変化させること、mTORシグナル伝達系であるFoxO1が関与していることが明らかとなった。 メタボリックシンドロームのひとつ糖尿病治療薬であるメトホルミンが肝内在性NK細胞の分化様式を変化させて、そのTRAIL発現を上昇させ抗腫瘍活性を増強させることが明らかとなった。肝切除による抗腫瘍活性低下を相殺することで、新たな治療薬となる可能性が示唆された。現在そのメカニズムを解明中である。 以上より、概ね順調に研究は進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きメトホルミンによる肝内在性NK細胞活性制御機構の解析を継続する。さらに、高脂肪食誘発肥満マウス(メタボリックシンドロームマウスモデル)を用いて、メタボリックシンドロームが肝内在性NK細胞のフェノタイプ、機能に与える影響を解析する。 また、動脈石灰化マウスモデル(ApoE KO mice, OPG KO mice)を用いて、動脈石灰化が肝内在性NK細胞機能に与える影響を解析する予定である。 肝細胞癌肝切除症例サンプルを用いた臨床解析を行い、メタボリックシンドロームと肝内免疫・抗腫瘍活性の関連を解析する計画である。当科で保存されている臨床的背景と予後が紐付け可能な肝細胞癌肝切除サンプル2013-2022年の10年分、約400症例の肝癌組織、血清、DNAを解析する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(17 results)