Project/Area Number |
23K27676
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Project/Area Number (Other) |
23H02985 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 博紀 自治医科大学, 医学部, 教授 (20376445)
大澤 英之 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60458271)
齋藤 心 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60382909)
宮戸 秀世 自治医科大学, 医学部, 講師 (90813163)
金丸 理人 自治医科大学, 医学部, 助教 (10625544)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 教授 (20311938)
綿野 亮太 自治医科大学, 医学部, 助教 (60883915)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
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Keywords | 腹膜播種 / がん微小環境 / microRNA / 大網乳斑 / エクソソーム / 胃癌 / 遺伝子治療 |
Outline of Research at the Start |
腹膜播種患者の予後は依然として悪い。腹腔内エクソソーム中のmicroRNAは、腹腔内微小環境を制御することで腹膜播種の病態に関与することが指摘されているが、その機序は解明されていない。そこで、ウイルスを用いて標的miRNA含有エクソソームを腹腔局所に効率よく補充する方法を開発し、播種抑制効果の向上が見られるか?を、同系腹膜播種マウスモデルを用いて検証する。また、そのmiRNAが腹腔内液中や大網乳斑に存在する免疫細胞の動態や機能にどんな変化をもたらすかを検討し、播種抑制に繋がる免疫学的機序を明らかにする。その結果を基に、腹膜播種患者に対する合理的かつ実用的な新規治療戦略を見出すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
様々な血清型のアデノ随伴ウイルス(AAV)にGFPを組み込んだベクターを作成し、大網由来腹膜中皮細胞(PMC)へ添加し、導入効率を検討したところ、ヒトではAAV-2, マウスではAAV-DJが最も導入効率が高いこと、胃癌腹膜播種患者の腹腔内液で減少しているがん抑制性マイクロRNA-29b(miR-29b)をAAV-DJに組み込んだベクター(AAV-miR29b)をリン酸カルシウム法を用いて作成し、マウスPMCに添加し、細胞及びエクソソーム内にmiR29bが著増すること確認した。また、TGF-β1(10ng/ml)刺激によりPMCは中皮間葉転換(MMT)をきたし、遊走能や癌細胞との接着能が増強し、また免疫チェックポイント分子発現が増強したが、AAV-miR-29bはそれらを完全に阻害した。 マウスPMCを用いてマイクロアレイ解析を行い、TGF-β1刺激による遺伝子変化とmiR-29bの作用による遺伝子変化を検討し、発現差が10倍以上であった36個の発現変動遺伝子を同定した。 またマウス胃癌細胞YTN16PをC57BL/6マウスへ腹腔内投与し、3週後に腸間膜上の播種結節の数を算定する同種腹膜播種モデルを作成した。このモデルにて、腫瘍接種と同日に5X10^10ベクターゲノムのAAV-miR-29bをPBS1mlで希釈し、腹腔内へ単回投与した。21日目に安楽死させ、腸間膜の播種結節数を比較したところ、AAV-miR-29b投与群で対照群に比較し、有意に転移数が減少していた(42.6 ± 19.9 vs. 8.0 ± 5.2, n=5, P < 0.05)。また、このマウスでは後腹膜の線維化のレベルが著明に減少していたが、血液中は肝酵素値、総ビリルビン値は対照群と有意な差はなく、肝機能異常は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腹膜中皮細胞に親和性の最も高いAAVを同定し、そのAAVにmiRNA-29bを搭載したベクターを作製し、マウス腹腔内に投与することで腹腔局所に長期間持続的にmiR-29bを供給する動物モデルの作成に成功、その安全性も確認することができた。このモデルを用いて、同日単回投与にて胃癌細胞YTN16Pの播種形成を抑制するデータが得られた。 マウス中皮細胞を用いてたマイクロアレー法にて、播種抑制のメカニズムに関わると考えられるmiR-29bの標的分子を絞り込むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍接種から3, 7日後に微小転移が成立した時点でmiRNA-29bを投与することで、播種抑制効果の違いがどうなるかを明らかにする。もし、抑制が有意ではなかった場合は従来に腹腔内化学療法と併用することでその治療効果の変化を検討する。また、膵癌のPAN02細胞を用いて同様の検討を行い、胃癌以外の癌腫においても同様の効果があるかを明らかにする。 アレー解析で選定した分子に焦点をあてて、miR29bの播種抑制につながるメカニズムを追求する。特に、腹腔内液、大網乳班における免疫細胞の動態を明らかにする。
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