Project/Area Number |
23K27685
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Project/Area Number (Other) |
23H02994 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
青木 浩樹 久留米大学, 付置研究所, 教授 (60322244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 聡子 久留米大学, 医学部, 講師 (80569418)
田山 栄基 久留米大学, 医学部, 教授 (90281542)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 大動脈解離 / 嗅覚受容体 / 血管平滑筋細胞 / 炎症細胞 / 大血管外科学 |
Outline of Research at the Start |
解離病態に関与する細胞の種類や分子経路は明らかにされつつある。しかしそれらの相互作用メカニズムは未だ明らかではなく解離組織の化学物質環境の意義は未知である。嗅覚受容系の意義を解明することで、化学物質環境による細胞や分子経路の相互作用メカニズムが明らかになり、病態診断方法や治療的介入方法の開発に必須の知見が得られると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが開発した大動脈解離モデルを用いて発症直前の分子病態の解明を進めている。これまでに解離モデルに種々の分子介入を加えて解離の重症度を定量するとともに、解離刺激前および発症直前のトランスクリプトーム・データセットを蓄積してきた。このデータを統合的に解析するため解離刺激で発現が変動する解離関連遺伝子群として約2,000遺伝子を同定した。種々の実験条件における遺伝子発現変動パターンからベイズ推計により遺伝子相互の発現制御関係を明らかにした。この推計により算出された発現制御ネットワークでは、強い制御関係を形成する遺伝子群がサブネットワークを形成し、サブネットワーク同士が比較的弱い制御関係を形成していることが明らかになった。強い制御関係を形成するサブネットワーク7つについてアノテーション解析を行ったところ、それぞれ細胞増殖、T細胞、B細胞、炎症応答、形態形成、細胞運動、感覚受容体に関するアノテーションが抽出された。感覚受容体に関わるサブネットワークには嗅覚受容体および嗅覚受容関連分子をコードする多くの遺伝子群が含まれていた。次に大動脈解離の重症度を左右する遺伝子群を同定するために、大動脈解離重症度に対する分子介入の効果を符号化し、UMAPクラスタリング解析により実験群が分離される条件を導き出した。その結果、現時点では分子介入効果より実験セットの影響を強く受けていると判断された。今後は実験群間の差異を標準化し分子介入効果を抽出し、発現制御ネットワーク解析との対応から嗅覚受容体と解離重症度の関連を明らかにしていく方針である。また、空間トランスクリプトーム解析により嗅覚受容体および嗅覚関連遺伝子群を発現する細胞の局在と種類を同定する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大動脈解離モデルにおいて解離刺激の有無、9種類の分子介入、刺激後の時間経過ごとに3~7個体から検体を採取し、解離の重症度変化およびトランスクリプトーム・データからなるデータセットを構築した。解離刺激による遺伝子発現変動パターンの比較により約2,000遺伝子からなる解離関連遺伝子群を同定した。ベイズ推計による遺伝子発現制御ネットワークを明らかにし、このネットワークに含まれるサブネットワークのアノテーション解析から嗅覚受容体および嗅覚関連分子をコードする遺伝子群と、炎症応答、形態形成、細胞運動、細胞増殖等に関わる遺伝子群の制御関係を明らかにした。分子介入による解離重症度の変化をスコア化した上で、UMAPクラスタリングによりトランスクリプトームデータに基づき実験群を分離できる条件を算出した。嗅覚受容体および嗅覚関連分子の遺伝子発現の空間的な可視化を目的として、空間トランスクリプトーム解析の検体採取条件の検討を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
UMAPクラスタリング解析では解離の重症度スコアより分子介入ごとの実験群の影響が大きいと思われた。重症度スコアとトランスクリプトームの変化を抽出することを目的に実験群間の変動を標準化して検討を進める方針である。嗅覚受容体および嗅覚関連分子について、大動脈組織および大動脈周囲組織における発現局在および発現細胞を探索するために空間トランスクリプトーム解析を実施する方針である。
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